豊中キャンパスの自転車登録制が2016年3月31日をもって廃止された。従来、豊中キャンパスへの自転車通学には、氏名や住所、所属、駐輪場所、使用目的などを予め登録したうえで、交付されるステッカーを自転車に貼っておく必要があった。登録制に代わる新制度の予定はないという。

▶︎「一通りの役割を終えた」
 登録制が開始されたのは、2011年10月。通学に使われている自転車の台数や駐輪場所の把握を主な目的として、試行的に開始された。データがある程度集まり、登録制は一通りの役割を終えたと判断され廃止が決まった。

 登録制廃止の裏には、年々減少する登録率を改善できなかったという事情もある。未登録者への罰則はなく、今後制度を維持していくには違反に対するペナルティーが必要と考えられた。しかし、キャンパス全体で罰則を実施していくのが困難で、実現しなかった。全学教育推進機構前の雑多な駐輪など、現在の状況をよくないとは捉えつつも、総合的な判断が行われたという。

▶︎他者への配慮を
 キャンパスで無秩序な駐輪が横行すると、地震などの災害時に避難の妨げになる上、車いすの通行に支障を来すなどバリアフリー上の問題も起きる。景観の悪化、放置自転車による土地の占有といった事態も危惧されている 。だが、撤去には費用と手間がかかるだけでなく、自転車所有権の帰属をめぐる法律上の問題もあり、具体的な措置の実施は難しい。解決への糸口を模索するも容易には見つからないのが現状だ。「問題があるのはわかっているので対策は考えていくが、現状は(新しい制度に関しては)何とも言えない」とキャンパスデザイン室の池内祥見(よしあき)助教は苦悩の色をにじませた。

 「いろんな立場があるということを理解してほしい」と語るのは同じくキャンパスデザイン室の吉岡聡司准教授。利便性を求め、キャンパスの中心部まで自転車を乗り入れたいという声がある一方で、移動の妨げになる、危険を感じる、という意見もある。大学の景観やブランドなどの観点も含めると問題の影響は学外にも及ぶ。制度がなくなった今、他者への配慮も含めた自転車マナーがこれまで以上に求められている。