10月10日から18日、工場から出た端材をもとに学生やデザイナーらがつくった商品を展示する「不良品から富良品へⅢ」が、大阪市の南海電鉄なんば駅~今宮戎駅間の高架下で開催された。総勢60人らのクリエイターによる商品が展示されたこの企画は、無駄なものとしてすぐに処分される端材に焦点を当て、その見直しを図るというコンセプトのもとで発足し、今回で3回目の出展となる。

 展示会にはユニークな商品が多数陳列された。「輪立 Wadachi」を制作した情報科学研究科の出口孝明さんは、普段はコンピューター系の研究をしているが、実際にものをつくることができる良い機会と考え企画に参加した。また、ネット通販で使用されるダンボール箱を用いて商品を制作した大阪女子短大の東井里菜さんらは、暮らしの中で出るゴミをいかに再び活用するかということに注目した。

 10月14日には同展示会場でフォーラム「WASTED」が開かれ、各展示商品のコンクールや企画関係者らのスピーチが行われるなか、学生らも自身の商品に対する思いをプレゼンテーションした。コンクール賞の中の一つである大阪大学賞には、工学研究科の川﨑愛結美さん作「籠もれ美」が選ばれた。「籠もれ美」は端材の和紙と葉から出来たカーテン。殺風景な景色しか見えない部屋の窓を、木漏れ日の差し込む窓に変えたいと思ったのが制作のきっかけだ。川﨑さんは受賞に際して、「まさか受賞できるとは思っていなかった」と驚きつつも大きな喜びを語った。

 同企画に深く関わった大阪大の「端財アップサイクル講座」では、端材を商品にデザインする授業が行われた。講座を担当した産学連携本部e-square濱田格雄特任講師によると、端材から商品を生み出すなかで生まれた製品や技術は、今後途上国への技術支援などにも大いに貢献される見込みだ。

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出口孝明さんが制作した「輪立 Wadachi」
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川﨑愛結美さんが制作した「籠もれ美」