大阪大は6月17日、現在の箕面キャンパスを箕面船場地域に移転することを発表した。同地域は、北大阪急行線の延伸により「箕面船場駅(仮称)」が建設される予定地の東隣。同キャンパスは、豊中・吹田キャンパスの中間に位置する「都市型キャンパス」となることが計画されている。阪大が創立90周年を迎える2021年4月に移転を完了させる見通しだ。

 今回のキャンパス移転は、箕面市が阪大に提案したことで実現。学生や教職員らが経済活動の活力源となることを箕面市側は期待している。一方の阪大側は、現箕面キャンパスの老朽化や耐震の問題とアクセスの悪さを、キャンパス新設により一挙に解消することを目指す。阪大が進めている「世界適塾」構想の柱の一つに位置付けられている。新キャンパスの設計案や建設費用、現キャンパス跡地の活用方法など、具体的な詳細案はまだ発表されていない。

 大阪大学と箕面市は今後、16年4月の合意書締結に向け、具体的な移転計画について話し合いを進める方針だ。

▷高校生ら期待「うれしい」

 外国語学部のオープンキャンパスにて高校生に話を聞くと、肯定的な反応が多かった。「都市型キャンパスの方がいい」、「バスで来たが、遠いと思った。近い方が通学に便利」と口々に期待を込める。ただ、中には「移転するより、静かで自然のある落ち着いたところで勉強したい」という声もあった。

▷疑問や不安の声 卒業生・現役生から

 一方、高校生の保護者や現役阪大生からは疑問視する声も上がる。

 オープンキャンパスに娘の付き添いで来ていた旧大阪外大の卒業生は「今のキャンパスもしっかり整備をしているのに、なぜ移転なのか」と疑問を呈した。卒業生としては「現キャンパスが簡単になくなるのは悲しい」という。

 現役生(外語・2年)も「別に困っていないし、もったいない」と否定的。さらに、「寮には4年間住めるはずなのに、移転してごたごたしないか不安。家賃も上がるのでは」と話す。寮も移転するのかや、引っ越しの際の学生の負担も不透明だ。

▷周辺住民も歓迎 ただし懸念も

 船場地域は、現箕面キャンパス周辺の閑静な住宅街とは違い、企業オフィスなどが立ち並ぶ商業地区。住民や経営者は「学生が来て、町がにぎやかになったらうれしい」と、歓迎している様子だ。ただ、懸念もある。予定地の近くに住んでいるというカフェの店員は「大歓迎だが、豊中キャンパスがある石橋では、特に飲み屋で粗相をする学生もいるという話も聞く。ここがそのようにならないかは心配」と話した。

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新駅・新キャンパス周辺の現在の様子