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廣賢一郎さん

映画製作 自身の思いぶつけ

 「自分が愛している人が、実は自分が心から憎む人だったら」。中学時代から自主映画を製作している廣賢一郎さん(歯・1年)は新作「ともしび」に自身の思いをぶつけた。映画は、車で死亡事故を起こした男と、その事故で恋人を失った女性が引かれ合っていくストーリー。地元・長野県松本市の商店街映画祭に出品し、一般公開の予定はない。  「ともしび」は自身9作目で、大学進学後初の作品。心斎橋やなんばの劇団を回り役者を集め、ロケ地の松本と大阪を何度も往復した。現在は撮影が終了し、作品の編集や広報をしている。  製作には106万円かかった。アルバイト代などのほか、インターネットのクラウドファンディングを活用して資金を集めている。5000円以上出資すると、関係者限定の上映会へ招待される。  廣さんは中学1年の時、アカデミー賞作品「フォレストガンプ」を見て映画にのめりこんだ。デジカメとパソコンを使い、友人と動画を作るうちに「映画監督になりたい」という思いが芽生えた。  高校に入ると祖母からの入学祝と自分の貯金を使い、撮影機材を購入。本格的に映画を作るようになる。自分の恋人への悩みを表現し、将来へ希望を託した作品は地元の映画祭で入賞した。作品を見た関係者と交流も生まれたという。  受験期は映画監督の夢をあきらめ、恋人と大阪大を目指した。だが、浪人し、恋人と別れてしまう。行き場を失い、映画を作りたいという思いが募った。父親とけんかし、3カ月間家出したことも。何とか立ち直り、阪大に合格した。  入学後は、映像技術を学ぶため専門学校に通うなど映画に力を注いでいる。廣さんは「少しずつ成長し、いつかは高校時代に留学したアメリカを舞台にできれば」と将来を見据える。多彩な人生経験を武器に、これからも映画で感動や勇気を届けていく。