ドイツの若手人気作家と「良い会話」
留学生日本語教育センターで朗読会実施
     東ドイツの日常を描き出した小説「Zonenkinder(「東」の子供たち)」がドイツでベストセラーになっている、フンボルト大学生の若手人気作家ヤナ・ヘンゼルさんを迎えての朗読会とワークショップが4月23日、大阪外大の留学生日本語教育センターで実施された。【4月23日 大阪外大新聞=UNN】

     午後1時より、「グッバイ、レーニン!」の上映があり、その後午後3時半より朗読会とワークショップが行われた。
     100人を超える、予想以上の参加者があったため、ヘンゼルさんの意見も取り入れて1、「Zonenkinder」の日本語訳を訳者(学生)が朗読。2、ヘンゼルさんが、その章についてコメント。3、「Zonenkinder」をヘンゼルさん自身が朗読、という形で朗読会は進められた。
     朗読されたのは1、4、8章。ヘンゼルさん自身が「1番大事な章」と位置付けた4章は、ベルリンの壁崩壊後の「私たちの世代の、私たちと親の関係」が「私たちの視点」から描かれている。「壁が崩壊した時私たちと私たちの親は同じ状況にあり、私たちは親に頼れなかった。子供に対し、親の威厳がなかった」と、今も続く「『Zonenkinder』の世代とその親の世代」の関係を述べ、参加者は熱心に聞き入った。また引き続き行われたワークショップでも、この章に関する質問が飛び交い、関心の高さがうかがえた。
     ワークショップは質問形式がとられ、予定していた時間を過ぎるほど、たくさんの参加者がベルリンの壁崩壊当時のことを尋ねたり、小説について質問したりした。中には、「旧東ドイツ出身ということで、西ドイツ人から冷遇されたりしたか」などと、するどい質問も。ヘンゼルさんは終始、まじめな面持ちで質問に答えていた。「悪いイメージの質問はなかった。するどい質問は、自分を再認識する良い機会になる」とヘンゼルさん。「ドイツから遠く離れた日本で、繊細な質問が返ってきたことは嬉しい喜びです」と話す。この後、記念会館で行われた懇親会にも、学生らが多数参加。ヘンゼルさんとの「良い会話」は続いた。

    【新川佳那恵】





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