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墓石討論会
討論会は8日午後4時から始まった。大学側から是永駿学長と松田武副学長が出席し、学生側からは現役学生など計4人のパネリストが出席。来春の国立大学法人化後、外大はどんな大学になるのか。そもそも、単独で存続していけるのか・・・そういったことを議論しあう場として企画された。 最初の30分は是永・松田両氏が、法人化の内容や中期目標について、また今後の外大の在りようについてそれぞれスピーチ。単位互換の拡充などによる阪大との連携強化や、今年度は採択されなかった教育支援プログラムについてなど具体的なことに少しは触れたものの、大半は「COEやCOLを獲得したことだけで世間は判断してしまう」「学生や教職員一人ひとりの意識向上で困難は乗り越えられる」といった論点から語り、学生からみれば「大学側の保身」とも取られかねない内容だった。階段に集まった学生らの反応はとぼしく、気のない様子でステージを見下ろしている。 続いて、パネリストとの質疑応答。「どこを特色としていくのか」という質問に、是永学長は「それぞれの言語のスペシャリストであるとともに、国際的な教養を身につけること」と回答したが、言語に関しては法人化前である現在でもアピールできるはずの特長だ。たとえ完全にではなくても国の管轄から離れれば、経営力や求心力が根本から問われることになり、今よりさらに強い引力のあるアピールポイントを打ち出していかなければ競争を勝ち抜いていくことはできない。 さらに付け加えて「専攻語と英語、それと専攻分野を身につけている」という特色を、また松田副学長は「到達度評価の導入」という考えを示した。英語を特色に含めていくということは、必修とはしていない現行制度が変わる可能性も含まれているのだろう。 休憩をはさみ、9割がた埋まった墓石階段でいよいよ「討論会」。参加者の中から意見を募ると、咲耶会(同窓会)の一人に続き、女子学生が手を挙げた。そして冒頭の発言。これを境に、学生の不満が噴出した。 「集会室や会議室の予約をするのに制限が厳しすぎる」との発言には、是永学長が「現実がそうならば調査したい」と回答。また、サークルでイベントを企画していた学生は「本部棟が改修中だからと、予約していた集会室を使えなくなった。活動を行える場所がないサークルはほかにもいる」と怒りをぶつけた。 そして、時間も押し迫った中で男子学生が挙手。「危機を乗り越え、動いていくのは学生自身だなどと言うが、その環境が整っていない」。コピー機は生協に2台だけ、図書館の蔵書数が少ない、冷暖房もない、ポスターも自由に貼れない、バイクのパーキングロックの規制も厳しい――、司会者に口を挟むすきを与えない勢いで述べ立てた。誰もがその不満を持っていたのか、絶え間なく拍手が響く。 冷暖房は完備に向けて現在工事が行われており、図書館は改修が計画されている。また、バイクに関しては大学の一存では決められず間谷住民との関係を調整することも必要だ。しかし、現状には違いない。松田副学長は「何事にもプロセスがある。急に何もかも良くなりはしない」と諭すような調子で話したが、改善の予兆さえ見られなければ不満は溜まる一方だ。また、環境が整ってこそ学生は積極的に活動が行えるのであり、不備の多い現時点で外大存続のために意識を高く持てと言われても反感を覚えるのは必至。しかし「言い訳にしか聞こえない」という男子学生の言葉にも「言い訳などではなく、良くしようと思って計画を進めていることだけでもわかってほしい」と返答。ただ、「月曜の昼休みには大学会館2階で昼ご飯を食べている。学生が求めているものを学びたいと思っている」と付け加えた。 時間が大幅に遅れたこともありやや無理やりに討論会は打ち切られたが、参加した学生からの質問状が未回答のまま大量に残った。その中には法人化に関することや学科再編についての質問もあれば、細かな不満も訴えられている。今回「外大存続」をかけて討論するはずだった会は学生が日ごろ抱えている不満を吐き出す場になってしまったが、その2つは必ずしも無関係ではないだろう。大学に対する愛着や意識が低ければ、学生はそこから離れていく。外大が存続していくためには学生の意識向上が何よりと言うが、それはひとりでに生じるものではなく、やはり細かいことが改善されて環境が整ってこそ、学生は大学のために必死になれるのではないだろうか。 討論会を終え、是永学長は「法人化に向けた執行部の姿勢は理解してもらえたのではないかと思う」と話す。今回出された提案や意見については「学生個人の意見を反映できるシステム、またそれを受け取る大学側のシステムも必要だと思う」と述べた。また「細かい不満があることはわかった。知らなかったこともある」とし、少しずつでも改善していくとの姿勢をうかがわせた。 松田副学長は「こういう(学生の声を聞く)機会を多く設けることが、大学を良くする道だと再確認した」と満足そう。しかし、最後に発言した男子学生とのやり取りには「話し方のマナーというか、プレゼンの仕方をお互いにきちんとしないと。私が話を短くすることも含めて」と苦い顔だ。それでも「今の環境が100%だとは思っていない。学生の身になって考えていきたい」と話した。 司会を務めた谷崎宏之さん(ポルトガル語・1年)は「疲れました」とまず一言。司会をやるのは初めてで、しかも学長らと学生との間をとりもつという大役に「緊張して遠慮もしていた」と言う。「とにかく失礼のないようにと思っていたが」、学長・副学長のスピーチが長引くなど進行は必ずしもスムーズでにはいかず「話を止められず、野次を浴びてしまった。後のイベントにも迷惑をかけた」と悔やむ。 ただ、最後の男子学生の発言で討論会が動いた、と見る。「不満がうっ積していて、それを出す場が今までなかった。まだ出し切ってないとも思う」。学生の主張はもっともであり、共感もできる。ただ、「言うだけでなく、不満があるなら自治会を作るなど動くべき」とも。司会者として間に立ったからこそ言える言葉だろう。学生と大学、この二者は、互いに歩み寄っていく姿勢が問題解決には不可欠だということをあらためて認識したのではないだろうか。 ※大阪外大ニュース編集部では、今回の討論会で出された学生からの質問状をまとめ、それをもとに間谷祭実行委員会と共同で学長インタビューを実施予定です。 【小林朋子】 このページのトップへ 大阪外大新聞トップページに戻る。 ご意見・ご感想は こちらまで。 記事の無断転載を禁じます(c)大阪外大ニュース編集部 |