「まるごと大阪外語の本」を出版 女子卒業生の会「木の花会」
女性がたどった試行錯誤の足取りを知る
    大阪外大女子卒業生の会「木の花会」が、8月30日付で本を出版した。タイトルは『人生は自由席で!――外語の女たち22人の「卒業後」』。大阪外大を卒業した20代から60代の女性たち22人が、それぞれの人生を振り返ったエッセイ集だ。大卒女子の就職は今もなお厳しいといわれるが、女性に対する社会の風当たりが今よりはるかにきつかった時代に大阪外語を卒業した女性たちは、どうやって職を探し自分らしい生き方をみつけてきたのだろうか――この本では、彼女たちの試行錯誤の足どりやその思いを知ることができる。【8月30日 大阪外大新聞=UNN】

    出版プロジェクトの代表は宮下知子さん(1977年ロシア語卒)。きっかけは2000年の秋に行われた「木の花会」の定例会だった。会の存在を知ったばかりの宮下さんが初めて出た定例会の席で、お互いの紹介を聞いていたときに感じたのは「みなさんなんて元気なんだろう!」ということ。そして、多彩な活動を展開し様々な経歴をもつ女性たちの発言を「そっくり本にしたらどうだろうか」と思いついた。
    本を出すという提案に、その場で執筆に手を挙げたのは十数人。その後少し間が空いたものの、昨秋に企画は動き出した。中心になって進めたのは宮下さん、堂本三代子さん(1960年フランス語卒)ら3人。本の巻頭に掲載する、南田みどり副学長(1948年生・ビルマ語卒)と、評論家・作家の俵萠子さん(1930年生・フランス語卒)の対談も6月に実現し、翌7月に完成。「丸ごと大阪外語の本」の出版は初めての試みだという。「執筆者も制作者も全員大阪外語卒!」という帯をつけた本はすでに外大生協に並んでいる。

    A5サイズで、220ページを超える本。「幼い2児をつれて子連れロシア留学を果たした高木さん」「新聞社編集局次長として、日々紙面づくりに奔走する石野さん」。ほかにも、起業した人、翻訳家になった人・・・執筆者の顔ぶれは実に多彩だ。
    「これから自立していく女性たちにとって、役立つ情報や生き方のヒントがこの本にはきっとある」と宮下さん。外国語などなにかひとつ特技があると将来の設計図を描きやすい、と言いながらも「それでも、就労環境や、子育てなど家庭との両立、キャリアプランの行き詰まりなど、壁にぶちあたるときは必ず訪れる。そのときに参考になると思う」と話す。同窓会などを通じて出版を知り、購入した卒業生から「既成概念にとらわれないで自由な道を選べるんだということを実践して生きている先輩たちの生き方は、これから就職活動を始める私の娘にぜひ読んで欲しいと思いました」などと感想も寄せられているという。

    タイトルにある「自由席」は、大学を出れば「終着駅(=定年)」まで乗っていられる「指定席」が用意されていた男性に対し、女性には先行き不透明の「自由席」しか選択肢が与えられなかった状況を象徴したもの。人生のスタート時点では、女性は「指定席に座ることなど夢にも期待できなかった」のだ。しかし、はしがきに「自分に ピッタリの場所がみつかるまで空席を渡り歩くことができるのが『自由席』のよいところ」「いま男性がどんどん自由車両に移ってきている」などとあるように、発想を変えてみると自由席にもいいところはあった、そんな意味も込められている。
    ただ、自由席で行くためには何らかの資格か能力が必要だと宮下さんは言う。「リストラされても、ひとりで生きていける能力をもってないとダメよ」。そのためにも自分がこれから職業・仕事にどう関わっていくのかという人生の設計図をじっくり考えてほしい、とした後で「まだ将来に対して何の意識も持っていない人には、この本の内容はあまりひびかないかもね」と言いそえた。

    ◆人生は自由席で!――外語の女たち22人の「卒業後」◆

    編著:「木の花会」
    発行:アーバンプロ出版センター
    2003年8月30日
    ISBN4-89981-131-4
    価格:1300円(税別)

    本の紹介はこちら↓
    http://www.urban-pro.com/news/jiyuseki
    (アーバンプロ出版センターHP)

    <目次>

    ●はじめに ……宮下知子

    ●対談
     俵 萠子(評論家・作家)
     南田みどり(大阪外国語大学副学長)
     (先輩・後輩トーク)
     女性の自立を巡る、10の断想

    ●働く
    ・娘に贈る言葉 ……石野伸子
    ・学生時代には思いもよらなかったメディカルライティングに従事
    夢は「生涯現役」! ……吉田多恵子
    ・労働基準監督官になって ……江原昌子
    ・記者らしくない記者?中村正子@ ……中村正子
    ・改革への道 ……橋本明子
    ・フィールドワークがライフワーク ……今岡良子
    ・こういう仕事がしたかった
     研修監理員の仕事とは ……藤本巴

    ●生きる
    ・MY PERSONAL HISTORY〜身の上話 ……片山ふえ
    ・子連れでロシアに留学して ……高木美菜子
    ・私のマイルストーン ……星野道子
    ・ナガ丘陵からの招き ……土橋泰子
    ・歌と演劇とロシア ……山之内重美
    ・ながら・ながら・あるがまま ……南田みどり

    ●想う
    ・映画「ガイアシンフォニー」と絵本と私 ……坂井土喜
    ・セクハラ裁判顛末記 ……牧穂波
    ・わが「八合目登山」人生 ……宮下知子
    ・言葉というツール ……加藤しをり
    ・入社五年目、OLの本音 ……薄井理恵
    ・夫を天へ送って ……図師千鶴
    ・その十年 ……楠田和子

    ●遊ぶ
    ・ベートーヴェン
     ハイリゲンシュタットの遺書 ……小笠原成子
    ・わたしの『マラソン紀行』より ……堂本三代子

    ●『木の花会』について ……堂本三代子

    【小林朋子】


    『人生は自由席で!――外語の女たち22人の「卒業後」』

    先輩たちのたどった道や思いが詰まっている



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