法廷通訳とは何か
授業の中から
     では、法廷通訳のどのあたりが特殊なのか。6月12日、大阪地裁の角田正紀裁判官による授業をのぞいてみた。この日のテーマは「法廷通訳人の使命と留意事項」。

     法廷通訳の特徴は第一に「逐語訳、全訳」であることだ。一般の通訳などでは明らかな言い間違いは訳されなかったり、通訳人がニュアンスを汲んで意訳をしたりすることがあるが、裁判官は被告人の発言をすべて聞いたうえで判断を下す。言い間違いや、質問にかみ合っていない答え、言いよどみなどもすべて判断材料になるため、通訳人は文字どおり忠実に通訳しなければならない。
     第二の特徴は、一般の人よりも多くの情報に接するが、決してそれを外部に漏らしてはならないということ。弁護士が被告人と、立会人なしに接見(面会)する機会があるが、被告人が外国人であれば当然コミュニケーションの必要性から、通訳人はその場にいることになる。そこで交わされた会話は裁判官はもちろん検事にももらしてはいけない。秘密を守ることが、弁護士と同等に課されるのだ。
     これらは、専門用語に親しんでおくとか、裁判関係の記事や雑誌を読むだけでは養えないものだ。こういった職務上の倫理観なども講義では教えていく。



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