司法通訳翻訳の基本学ぶ
博士前期課程「多言語間通訳翻訳研究」
     今年度から、大学院の博士前期課程で「多言語間通訳翻訳研究」という一連の授業が共通科目として開講されている。その中の4科目「司法通訳翻訳の実務論」では、大阪地方裁判所、大阪府警察本部、大阪地方検察庁、大阪弁護士会などから実務家を講師として招いている。【6月11日 大阪外大新聞=UNN】

     「司法通訳翻訳」とは、法廷や警察業務など司法の場で必要とされる通訳翻訳のこと。授業開講の理由を、津田守教授(フィリピノ語専攻)は「国際化が進むのにともない、外国人がからむ刑事事件も増えている」と、社会的な需要が増加していることを挙げる。全国の地裁で行われた刑事訴訟のうち、平成13年は1割にあたる約1万件が外国人が被告人である要通訳事件。平成2年の1000件に比べ、10年で10倍と急増している。

     日本語の通じない人間が逮捕されたその時から、通訳人は必要となる。警察では独自に通訳に関する研修などを行いある程度は内部で解決しているが、裁判所では中立性の観点から、第3者の通訳者を選任することになる。それが「法廷通訳人」だ。
     「私は外国語ができます、というだけでは足りない。検察官や弁護人が使う専門用語なども理解せねばならず、語学の運用能力プラスアルファの資質が問われる職業」だと津田教授。学部で一定程度の語学をマスターした大学院生に、抽象的ではなく司法通訳人という具体的な「語学を活かす道」を示す、という意識もあるという。

     裁判官や警察官など実務家を講師に迎えたことについては「法学部などで実務家が講義を行う例はあるが、通訳翻訳に関する授業は外大でこそ実現した」とのこと。「来年度以降も、学生の要望があれば応えていきたい」と意欲的だ。

    【小林朋子】


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