「よくわからない」も意図した反応
フランスパンサイドセッ ション「inocent when you dream」
     暗い舞台で、7人の同じ格好をした男女が、2、3人ずつに分 かれて切れ切れの会話を交わす。繋がっているような無関係の ような、観る者の感覚を狂わせる進行だ。12月8日から10日に かけて大学会館2階集会室で行われたフランスパンのサイドセ ッション「innocent when you dream」は、筋道だった物語 ではなく、「よくわからなかった」と観客に言わせるようなも のだった。【12月10日 大阪外大新聞=UNN】

     ある2人は友達どうし、ある2人は恋人どうし。また、数年ぶ りに再会した親子、喋るぬいぐるみと女の子・・・照明は動い ている人物にだけ当てられ、ほかはまったくの暗闇にしずむ。 どこで話しているのかも、その場に何があるのかも明確には分 からないという舞台。交わされる会話はときに深刻でときに性 的、またやはり何だかよくわからない話が交わされるときも。
     「おもしろいとかはよくわからなかったけれど、劇を作った 人がセンスや自信を持って作っていると思った」と、初めてフ ランスパンの劇を見に来た女性。また「幻想的で雰囲気も良か った」という人もいた。役者の一人、本條麻希さん(スウェー デン語・4年)も「(練習が)短期間だったけど、すてきな、 幻想的な舞台を(伊藤さんが)作ってくれて幸せ」と話した。
     フランスパン代表の伊藤拓さん(英語・4年)は「ある意味 、お客さんの期待を裏切りたかった」と、「よくわからない」 という反応は意図したものであると話す。ストーリーがないだ けにどうとでも捉えることができるが、難しく考え過ぎて笑っ てくれない人もいるとか。「笑いがないと苦しい」という伊藤 さんにとっては「適当に見てもらうくらい」がいいと言う。「 理解するものではなく感じるもの」。
     「感じるもの」の引き立て役として、今回の劇では音が活躍 した。オープニングで流れた宇宙や機械を思わせる複雑な音に 始まり、役者が声を張り上げなければならないほどの大音量や 役者自身の歌声など様々な音が登場。「音の力って強い。役者 だけでなく、音もしゃべっていると思う」という伊藤さんのこ だわりが現れた演出だった。
     今回は、本当は劇団檜舞台などとのコラボレーション「フリ フリ」の参加作品として別の脚本を用意していた。しかし、本 部棟の改修にともない大学会館の集会室を会議に使う、と大学 側に言われて一度は断念。
     ところがその後、再度使用許可が出た。断念した時点でフリ フリのメンバーは解散していたが、大学側に振り回された腹立 たしさを込めながら書き上げた別の脚本に、ついてきてくれた 役者もいた。「役者が輝く瞬間があれば嬉しい」と、舞台を終 えていらだたしさは解消されたようだ。

    【小林朋子】




    このページのトップへ



大阪外大新聞トップページに戻る。

ご意見・ご感想は こちらまで。
記事の無断転載を禁じます(c)大阪外大ニュース編集部