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大外大OGの所属するNGOなどが主催
来日講演を行ったのは、NGO「ガリラヤのシンディアナ」のパレスチナ人女性サーミヤ・ナーセルさんと、ユダヤ人女性ハダス・ラハブさん。今も衝突の絶えないイスラエルとパレスチナ双方の立場から、そして女性という立場から現地の状況について話した。 来場者が多くて会場内には入りきらず、席を増やしても立って傍聴する人が出るほどで、全部で約250人が訪れた。講演会は午後6時半に開会、主催者側のあいさつ、ドキュメンタリービデオの上映に続いて、講演へと進んだ。 パレスチナ人のサーミヤさんが最初に講演。母国語のアラビア語ではなく英語でのスピーチだったが、終始しっかりとした調子で話した。教育についての話の中で「予算や内容など様々な面でイスラエルと差別されている」としたうえで「自分の能力や知識を子供のために役立てたいと母親は思っている。しかし、教育の責任が母親にもあることは、あまり認識されていない」と話す。その原因は女性への社会的な圧迫にあるという。労働や外出のほか、社会的・文化的な活動への積極的な参加も良しとされていないのだ。そんな状況下で教育への責任を果たすには「子供の文化的アイデンティティや、国際的な視野を強化する必要がある」とサーミヤさんは考えている。 次にユダヤ人のハダスさんが、やはり英語でスピーチを行った。現地には新しい動きがあることを強調。イスラエルの若者の間に兵役拒否の動きが出てきているというのだ。「私たちはこの動きを広めていきたい」とハダスさんは話す。 9.11事件以来、国際紛争の動きなどに興味を持ちたくて来たという年配の女性は「兵役拒否など、市民レベルでの動きが大きな力になればいい。世界を変える力はそれしかないようにも思う」と講演を聴き終えての感想を話した。 続いて質疑応答。「兵役拒否の動きには、具体的にどんなことがあるのか」という質問には、ハダスさんが現地の女性たちと話し合った時のことを語った。イスラエルでは18歳以上の女性に2年間の兵役義務があるが、7年前に兵役についたという女性が『今18歳だったら拒否する』と言ったという。その理由をハダスさんは「以前は、軍の動きによって平和になるという希望があった。しかし今はもう和平プロセスを信じていない」からだとする。和平の道が閉ざされ、希望を持てなくなっているのだ。 「NGOの支援は有効か」との問いに「NGOの支援は必要」とハダスさん。「イスラエルはパレスチナに対してアメリカ式かテロリストか、という2つの道しか示さない。そうではなく第3の道を見出していく必要がある」。その中でNGOとの連携が大切だ、と話した。 最後に、現地の子供たちの夢は何か、という質問に対しサーミヤさんは「長い紛争の中で私たちは、教育やアイデンティティ、人間性を失った」と訴える。「子供たちがどんな夢を持っているのかわからない。夢を持つことも実現することもできない状況にある」のだ。「こうして問題に耳を傾けてくれることが、解決につながる」とサーミヤさんは締めくくった。 講演会終了後、大学院でパレスチナ問題を専攻しているという学生は「子供たちの夢がわからない、というのが印象的だった」と言う。「平和な日本だから夢、と言える。パレスチナではゼロからプラスに向かうのではなく、マイナスからまずゼロにいかなくてはならない。親としてもゼロに上げてやりたいんだろうなと思った」と、現地の女性の声を聴いた感想を話した。 このページのトップへ ご意見・ご感想は こちらまで。 記事の無断転載を禁じます(c)大阪外大ニュース編集部 |