古代イスラエルの信仰 立教大の長谷川准教授が講演

 公開講演会「『ヘブライ語聖書』に反映する一神崇拝の展開」が3月10日、同志社大の神学館チャペルで行われた。会では立教大文学部の長谷川修一准教授(旧約学)が講演。ヘブライ語聖書から神についての記述を抜き出しながら、「古代イスラエル」で展開した一神崇拝とその歴史的背景を解説した。

 長谷川准教授は、聖書のミカ書4章5節の「全ての民はそれぞれ自分の神の名によって歩む。私たちは永遠に私たちの神ヤハウェの名によって歩む」という記述に注目。「紀元前8世紀後半のイスラエルの民のヤハウェ崇拝は、他の神々の存在を前提としながらも、ヤハウェを信仰するものだった」と説明した。出エジプト記の同様の記述にも触れ、「イスラエルの民は、周囲より早くヤハウェのみを信仰していたと推測できる」とした。

 紀元前6世紀にユダ王国が新バビロニアに征服され、ユダヤ人がバビロンに連行されたバビロン捕囚については、「当時の戦いは神々の戦いで、ヤハウェがバビロニアの主神マルドゥクに敗北したと捉えられる」と指摘。「アイデンティティー喪失の危機にひんしたユダ王国の人々が、他の神々の存在を否定し、全ての創造者をヤハウェとする唯一神観的な思想を誕生させた」と語った。
【西崎啓太朗・写真も】

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です