【3・4月号掲載】火星移住を想定した実習 米アリゾナ大と共同で実施

 京都大は8月5日〜10日に、米国アリゾナ大と共同で、火星移住を想定した有人宇宙学実習を行う。場所はアリゾナ州郊外のバイオスフィア2(B2)で、日米から各5人の学生が参加する。

 今回の実習は、京大大学院総合生存学館の山敷庸亮教授、京大宇宙総合学研究ユニットの土井隆雄特定教授らを中心に、宇宙教育プログラムとして立案された。2018年にアリゾナ大との提携が結ばれたことで実現。参加学生は学内で募集され、書類審査と面接で決定する。

 B2は、アリゾナ大が運営する世界初の閉鎖環境施設だ。内部には人工の熱帯雨林・海岸・砂漠環境などがあり、それぞれに隔離生態系が維持されている。1991年に完成し、2011年からアリゾナ大が所有している。

 実習は宇宙での短期ミッションを模して実施され、講師として宇宙飛行士も参加する。学生は宇宙環境・生態系・閉鎖環境ストレスに関する講義を受けた上で、太陽放射などの測定や環境の維持管理を行う。夜間には天文観測をし、天文学の基礎を学ぶ。

 山敷教授は「今回は学内のみの募集だが、いずれ学外からも(実習に)参加できるようにしたい。今後も同様の企画を続けていけたら」と意気込んだ。

■若者たちへ

 学生の選考に関して土井特定教授は「まず英語はできなければならない。また(本企画には)チームワークが必要。互いに足りない部分を補い合うために、自分の得意分野で『先生』になれる人を選びたい」と話す。20年以降に有人宇宙探査が始まることを踏まえて「(学生には)正しい知識や経験を得て、正しい判断が下せるようになってほしい。人類の行く末を決めるのは今の若い世代だ」とエールを送った。           

【児玉七海】

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