【3・4月号掲載】コラム・知恵袋

 1年前、住み慣れた福岡を離れ、関西に来た。友人も親戚も少ない土地での大学生活に不安を抱きながらも、これから始まる一人暮らしに心躍らせていた。だが1週間もしないうちに地元が恋しくなった。一人で朝食を食べて洗濯をして、大学で授業を受け、夜誰もいない部屋に帰ってくる。思い出すのは友人と他愛ない話をした高校時代ばかり。気分は沈みがちになった。友人や家族のありがたみを感じた▼ただ不安に押しつぶされるだけではいけない、何か新しいことを始めようと報道サークルの門をたたいた。今では取材や記事執筆に追われる日々だが、同時に充実感に満たされている。取材先でさまざまな考えを持った人から話を聞き、価値観が豊かになった▼振り返ってみるとアルバイトやサークルで忙しく、あっという間に過ぎた一年だった。これから専門分野の勉強が少しずつ始まる。自分の知らない新しい世界で多くの刺激を得られるよう、学問にも励まなければと気を引き締める▼大学生活の4分の1は飛ぶように過ぎた。私は何をなし得たか。無駄に過ごしてきたつもりはないが、特筆すべき成果は何もない。自由な大学生活では自分で自分を律しなければならない。私は残りの3年間で何をなすか。満足いく時間の使い方をしなければいけないと自分を律している。 

【田中穂乃香】

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