【1月号掲載】湯川秀樹の日記公開 終戦前後の生活記す

 基礎物理学研究所湯川記念館史料室は12月21日、ノーベル賞を受賞した物理学者湯川秀樹の日記の一部を公開した。
 今回公開されたのは1945年の日記の内容。大学での活動のほか、各地の空襲の被害など戦局についても記述がある。8月15日には「登校 朝 散髪し身じまいする 正午より聖上陛下の御放送あり ポツダム宣言御受諾の已(や)むなきことを 御諭しあり 大東亜戦争は遂に終結」と記されている。
 湯川は38年〜48年まで「研究室日誌」という日記をつけていた。その後、日記を紛失していたが、78年に理学部内の本棚から発見された。
 プライベートな内容も書かれてあり、なかなか公開されなかったが、2017年で生誕110年になることから、それに合わせた公開に向け解読を進めていた。解読に関わった小沼通二慶應義塾大名誉教授は「歴史的文化財だからいずれは公開しなければならないと思っていた」と語る。
 小沼名誉教授は戦争を経て湯川に変わらないことと変わったことがあると話す。終戦時の8月でも授業を行うなど、物理に向き合う姿勢は一貫している。
 一方で戦前は軍事研究に参加していたが、戦後は平和運動を推進。小沼名誉教授は戦争を経て湯川の国に対する見方が変わったとみる。
 日記は史料室のウェブサイト (https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~yhal.oj/diary.html)で閲覧できる。小沼名誉教授は今の学生たちに「過去を参考にして、(平和について)自分たちで考えてほしい」と語った。
 他の部分も整理ができたところから順次公開していく。      
【田林航】

終戦の日の記述がある日記(撮影=田林航)

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