【9・10月号掲載】京大初のプロ棋士誕生 山口絵美菜さん

 「将棋は自分の生き方の幹となっている」。4月、女流2級に昇級して正式なプロ棋士になった山口絵美菜さん(文・4年)。プロ棋士に認定されたのは、京都大の在籍者・出身者で初だ。

 山口さんの日常や進路、趣味は将棋と密接な関係にある。一日の大半は将棋で埋まる。対局の手を記した「棋譜」を盤上に再現する棋譜並べは特に好きな練習だという。悲しいときや怒ったときも棋譜並べをして気分転換する。「将棋をすることが自分を正しい方向に持っていってくれる」。

 小学5年の時に弟の影響で将棋を始めて以来、実際に打ってみないと最善の手が分からない点にひかれ、将棋のとりことなった。

 一方で、将棋と並行して勉強にも懸命に取り組んだ。京大に入学したのも将棋と勉強に集中できる環境を求めたため。大学進学と同時にプロ棋士を目指して日本将棋連盟の関西研修会へ入会した。その後、2年の時に3級に昇級するが、勉強や住んでいる寮の運営などで忙しく、その後の成績は振るわなかった。

 転機は今年の3月から始めた1人暮らし。寮の活動が無くなり、練習場所の関西将棋会館(大阪市福島区)に近くなって将棋に集中できる環境が整った。棋士会館では、腕が筋肉痛になるまで棋譜並べをし、対局を繰り返した。さらに得意技の玉を堅く囲う「穴熊」を盤上で何度も作って自信を取り戻す。一方で昇級への不安もあり、胃を痛めたり声を出せなくなったりしたこともあった。それでも猛練習が実り、4月末に正式な女流棋士と認定される2級に昇級、さらに8月には1級に上がった。

 今後の目標は「3年以内の霧島酒造杯女流王将戦タイトル獲得」。女流王将戦は毎秋、山口さんの地元・宮崎県で初戦が行われている。将棋を始めた頃から夢見たタイトルだ。「故郷からの温かい応援への恩返しをしたい」と意気込んだ。

【西崎啓太朗】

大盤解説を行う山口さん(7月13日・関西将棋会館にて 本人提供)

%e4%ba%ac%e5%a4%a7%e5%b0%86%e6%a3%8b%e3%80%80%e5%8a%a0%e5%b7%a5%e5%89%8d

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です