難病ALS 原因究明へ

 

漆谷真准教授(医学研究科)らの研究グループは1月、運動ニューロン(体の運動を司る神経細胞群)が侵され体が思うように動かなくなる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した際に見られる異常な凝集物の分解に関わるタンパク質の特定に成功したと発表した。
ALSにおいては以前から、大脳や脊髄などの、疾患による運動ニューロンの変性が多くみられる部位に、タンパク質「TDP43」の異常構造体を主成分とした凝集が蓄積することが知られており、発症の原因と考えられていた。
しかしTDP43の分子は不安定なことから、漆谷准教授らは健康な体でもTDP43は異常な構造に変わると予想。ALS患者の体内では凝集を分解する仕組みがうまく働いていないという仮説を立てた。研究の結果、2種類のタンパク質「CUL2」と「VHL」を含む複合体が異常なTDP43の分解を促すことが分かった。ところがCUL2に比べVHLが過剰だと分解の仕組みがうまく働かずに凝集蓄積がむしろ増すことも明らかとなった。CUL2とVHLのバランス異常がTDP43の蓄積の原因の一つであることから、薬剤を投与して量のバランスをとるなどの治療法が考えられる。
ただ、CUL2は他のタンパク質の分解にも関係することが知られ、安易に投与すると人体へ悪影響をおよぼすことも考えられる。漆谷准教授は分解の仕組みをさらに詳しく調べ、CUL2に代わる物質の利用も含めて治療法を検討していく必要があるとしている。

ALS
(提供=漆谷准教授)

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