CGで手術支援 「高水準な医療を」

 医療と情報技術の連携が進んでいる。コンピュータグラフィックス(CG)の技術を用いて臓器などのCT画像を3次元化できるようになり、外科手術のシミュレーションもコンピュータ上で行えるようになりつつある。

 「名医」の手術を再現できるようにと、情報学研究科の中尾恵准教授は、CGを用いた手術支援システムの開発に取り組んでいる。将来、CG技術を用いた手術中のナビゲーションが実現する可能性が出てきた。
 システムでは、患者のCT画像から肝臓の3次元CGを作成し、がん切除のシミュレーションを行うことができる。コンピューターの画面上でCGの肝臓に線を引くと、切れ目が入っていく。切れ目に応じてCGの肝臓が変形し、血管が見えてくるため、どのように切り進めていくのが適切かを事前に確認することができる。
 「情報技術で医療を引っ張っていきたい」と中尾准教授は言う。「名医と呼ばれる医師の手術はなぜすごいのか」。手術のプロセスを数値化し、プログラムで表現しようと考えたことが、システムの開発につながっている。「名医だけでなく、どの病院(の医師)でも高水準な医療を実現できるようにしたい」と語る。感覚に頼っていた部分を客観的に判断したいと考える医師が増えていて、ニーズも感じているという。
 システムの製品化を一つの目標とし、「学習や教育用としての製品化が一番近いゴール」と中尾准教授は話す。いずれは、どのように手術を進めればいいのかを示す、手術中のナビゲーションの実現を目指す。「手術中に臓器の中は見えない。臓器にCTの映像を投影して、投影された通りに進めれば(うまく手術が)できる、というようにしたい」と、今後の展望を語った。

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