警視庁 熊野寮に家宅捜索 「寮は反社会的ではない」

 京都大の学生寮「熊野寮」(京都市左京区)が、11月13日午後、警視庁公安部による家宅捜索を受けた。捜査員およそ120人が午後2時ごろから同寮敷地内に入ったものの、「令状を見せてください」と言い、サングラスやマスク、ヘルメットなどで顔を覆って反発する寮生らと押し問答に。通行人も足を止めて見守るなど同寮周辺は一時騒然としたが、捜査員は午後5時ごろに撤収した。

 「また熊野寮にガサ入れか」とある京大生は呟く。同寮はこれまでにも家宅捜査を受け、昨年は捜査に入ろうとした機動隊が令状の不備で引き返すという騒ぎもあった。以前の家宅捜査は京都府警によるものだったが、今回は東京都での事件を受け、都内を管轄する警視庁公安部が乗り出した。

 公安部によると今回の捜索は、11月2日、京大生2人を含む3人が公務執行妨害容疑で逮捕された事件を受けて行ったもの。東京都銀座の路上で、国鉄職員の解雇撤回などを求めるデモ行進の警備に当たっていた機動隊員らに対して暴行を加えたため、現行犯逮捕された。3人は中核派系全学連に所属し、京大生の2人は同寮に居住していた。

 同寮には現在400人を超える学生が居住。あらゆる学生が大学に通えるようにすることを目的とし、比較的安価で寄宿することができる。経済状況の苦しい学生や留学生などが入寮を希望し、志願者数は年々増えているという。今回の捜索に対し、熊野寮自治会は「現在多数のマスメディアにより、あたかも熊野寮が危険で反社会的な場所であるかのような報道がなされている。しかし、熊野寮はそんな場所ではない」と述べている。

 吉田キャンパスでは、11月4日に私服警察官を京大生が取り押さえる騒ぎがあったばかりだ。私服警察官は京都府警の警備二課所属。京大生が公務執行妨害容疑で逮捕されたことに反対する全学自治会同学会が開いた集会に潜入していた。極左的主張に基づく暴力主義的破壊活動に関連する警備犯罪取り締まりの担当者だ。日本国憲法23条では、大学自治に一定の権利を保障しており、京大と府警の間では府警の警察官が学内に入るときには事前に通告するとの取り決めがある。杉万俊夫副学長は「無断で警察官が立ち入ることは誠に遺憾」とコメントした。

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