山極寿一氏 新総長に

 理学研究科教授の山極寿一(やまぎわ・じゅいち)氏が京都大の第26代総長に就任した。任期は10月1日から6年間。研究一筋で大学運営に一切関わったことがないという、異例の選出だ。松本紘前総長から引き継いだ総長の座。学生に対し「京大から世界の最先端を目指してほしい」と語る。

フィールドでゴリラと並ぶ山極総長(提供写真)

フィールドでゴリラと並ぶ山極総長(提供写真)

 自由な校風を掲げる京大。山極氏は「京大は研究大学。学生が主役であり、窓である」と話す。大学は日本だけでなく世界へ窓を開けて学生の背中を押す存在とならねばならないと考え、また教員は道先案内人であり、仲間であり、ライバルであるとも言う。「学生には常識を乗り越え、実践されてきたものを見直し、新たな課題を見つけ、教員とともに解決策を見いだしてほしい。そして学生らにいつかは教授を超えていってほしい」と笑った。

 現在、研究室で受け持っている学生に対し「総長に就任しても、学位を取得するまでは指導する」と約束。研究の途絶を心配する学生に総長就任反対のビラを貼りだされるなど、慕われている存在だ。

 国際化への取り組みに意欲的だった松本前総長を振り返り「方向性は間違っていなかったが、合意を得るプロセスが拙速だった。もっと情報を開示すべき」と話す。「グローバル化とは学生が英語を使って国際的に活躍すること。教員を呼び何かしてもらうだけではない」と、学生が主役と強調。大学間交流やオフィスの海外展開を通して、学生が世界の出来事を考える場を作りたいという。

 米の旅行雑誌「トラベル+レジャー」が今年発表した「世界の人気都市ランキング」で1位に選ばれた京都市。海外からの旅行者も多いが「京都を楽しむ場が市内にはあまりない。京大を中心に受け皿になれたら」と話す。学生が語学力と同時に歴史的価値を説明できるよう京都史について学ぶなど、京大を教育機関だけでなく、国際貢献の場にすることを目指す。

 また、京都の他大学と合同で行う「京都大学キャンパス構想」も考案中だ。「京都にはさまざまな分野の大学がある。産業系や芸術系の学部を持つ大学など、多くの大学と交流したい」とし、多分野の大学間でのコラボレーションを考えているという。

 長年研究職に身を置き学内の運営とは無縁だったにも関わらず、意向調査で大量の票を獲得した。結果について「ゴリラ研究は常識が通用しない。自分が選ばれたのは誰も思いつかない発想をしてくれということだと思う」と話す。新たな6年に向け、斬新な運営が求められる。

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