共同通信によると、鼻にスプレーするだけでインフルエンザの感染を予防できるワクチンを大阪大微生物病研究会が11月24日までに開発したことが分かった。

 細いスプレー容器に入ったワクチンを鼻に差し込んで噴射して使う。皮膚に注射するワクチンと比べて痛みがなく、複数回の投与でより高い効果が期待できる。

 現在使用されているワクチンは重症化を防ぐことができるが、感染を予防することはできない。阪大微研の経鼻ワクチンはマウスを使った実験で、インフルエンザウイルスが鼻の気道粘膜から全く検出されず、感染そのものを防ぐことができることが分かった。接種するワクチンの型が流行しているウイルスの型と異なっていても、効果があるという。

 米国で既に使用されている経鼻ワクチンはウイルスを弱毒化した生ワクチンで、接種できる人に制限がある。阪大微研のものは病原性をなくした不活化ワクチンで副作用のリスクが低く、お年寄りや乳幼児でも使用できる。

 人に対しての安全性と有効性を調べる治験は2019年7月に終了しており、今後、国に承認申請する方針だ。【小松霞】