タピオカブームが叫ばれる中、大学生にはどのようにタピオカブームが浸透しているのか。ブームを取り巻く現状を取材した。【川村仁乃・小松霞・高橋直花】

 大学生は空前のタピオカブームをどう思っているのか。関西の大学に通う学生を対象に9月6日から14日までアンケートを実施し、266人から回答を得た。(数値の小数点以下は四捨五入)

 「タピオカドリンクは好きですか」という質問に「好き」と答えたのは49%。次いで「普通」が40%、「嫌い」は11%だった。

 タピオカを月1回以上飲む人は48%と半数に満たない結果となった。月1回以上飲む人に「タピオカを飲む理由」(複数回答可)を尋ねると最も多かったのは8割以上が答えた「おいしいから」。「インスタ映えする」と答えた人は4%だった。一緒に飲む相手では半数超が「友達」と回答。「1人で飲む」人は18%いた。全体の8%は「タピオカを飲んだことがない」と答えた。 

 「タピオカについてどう思うか」を答える自由記述欄ではさまざまな回答が寄せられた。「若者の間でコミュニケーションツールとして機能しているのはいいと思う」「ブームが来る前から好きだった」と肯定的に見る人がいる。

 一方特に多かったのが「原価に対して値段が高い」という意見。値段について70%が「高い」と答えた。「飲まない理由」(複数回答可)では36%が「並ぶのが嫌い」をあげた。「2カ月付き合った恋人とタピオカドリンクのために3時間並ぶかどうかでけんかになり、別れた」という切ないエピソードを持つ人も。「一部の人のマナーの悪さで、タピオカを飲むのが悪い行動と印象づけられていることに怒っている」という熱心なタピオカファンもいた。

 賛否両論だが「社会には流行がつきもの。ブームに振り回されたり斜めに構えたりするのでもなく、いい意味で軽いノリで付き合っていくのが大事」と流行を楽しもうとする声もあった。

高カロリーの原因 栄養成分 ほぼ糖質

 タピオカの原料は熱帯地域の農作物、キャッサバから作られたでんぷん。神戸女子大の木村万里子准教授(食生活学)によると「タピオカはイモでんぷんなので栄養成分はほとんどが糖質。さらにドリンクに含まれるミルク、果物、シロップもカロリーを増加させる要因になっている」という。タピオカは高カロリーな上に、栄養のバランスも偏っている。

 タピオカドリンクが高カロリーだと認識している人は多い。アンケートでは62%がタピオカドリンクのカロリーを気にしたことが「ある」と回答。タピオカドリンクを飲まない理由に、21%の人が「カロリーが高いから」を挙げた。

黒糖タピオカ専門店 「黒花堂(フッカダン)」

黒糖タピオカミルク

 「黒花堂(フッカダン)」が8月10日、NU茶屋町(大阪市北区)付近にオープンした。他店と比べるとメニューがシンプルで「黒糖タピオカミルク」(税込み600円)が店の一番人気だ。あまり混んでおらず、すぐに商品を買うことができる。王道のタピオカを飲むにはうってつけの店だ。周辺には「Gong cha(ゴンチャ)」「モッチャム」などのタピオカ店やホットドック店があり、茶屋町周辺は若者のブームでにぎわう場所になっている。