演奏するアカデミーオーケストラ(撮影=田中穂乃香)

 京都大百周年時計台記念館百周年記念ホールで5月18日、クロックタワーコンサート〜京都大学と京都市立芸術大学による交流の午後〜コンサート&レクチャー“古典?『新』古典⁉”が開かれた。地域住民ら約500人が音楽イベントを楽しんだ。

 クロックタワーコンサートは京大と京都市芸大の交流事業の一環として2005年から毎年行われている。今年は、京都市芸大の大学院生を中心とする同大アカデミーオーケストラが3曲を披露。演奏の前後に、京都市芸大非常勤講師で指揮者を務めた粟辻聡さんが曲の形式や作曲家の経歴、作曲された背景などを解説した。

 粟辻さんは、1919〜20年にロシアの作曲家ストラヴィンスキーが作曲したバレエ音楽「プルチネルラ」組曲について、18世紀初頭に作られたバロック時代のバレエ音楽が素材となったことを紹介。ストラヴィンスキーがバロック音楽の構成や雰囲気を受け継ぎつつ、楽器の特殊奏法などを取り入れることで独自性を表現していることを説明した。

 奈良から来たという男性は「解説があったことで、普通に聴くだけでは気付けない楽器の使い方の工夫や曲の特徴に気付くことができた。来年以降もぜひ参加したい」と話した。【田中穂乃香】