【3・4月号掲載】観光映像祭アジア初 日本の発展へ第一歩

(撮影=川村仁乃)
アジアで初となる観光映像祭、「第1回日本国際観光映像祭」が3月13日と14日、大阪工業大梅田キャンパスで開催された。世界中から224作品の応募があり、ノミネートされた65作品を2日間にわたって上映。観光映像に関するさまざまなテーマのフォーラムやセッションも行われた。
日本部門のグランプリは鹿児島県与論島の美しい自然を映した「Yoron Island Japan in 8K HDR‐与論島」が、世界部門は今の潮流をくんだスタイリッシュな作品、エクアドルの「Quito my Story」が受賞した。日本と台湾の相互誘客につなげることが狙いで、台湾から作品が多く集まった東アジア部門では、台湾最南端の屏東を紹介する音楽が印象的な「海と光 屏東で会おうね!」が選ばれた。
映像祭は和歌山大国際観光学研究センターと摂南大などから構成する実行委員会が主催。インバウンド市場の拡大に伴い各地の観光地化が進む中、日本の観光映像はヨーロッパに比べて土地の良さを伝えきれていないものが多いという懸念や疑問から開催に至った。
実行委員長の木川剛志・和歌山大准教授(観光学)は「映像でしか伝えられない空気感や世界観がある。スマートフォンが普及しているが、大きな画面ときちんとした音響で映像を見ることは大事だと思う」と話す。観光映像は定義がなく専門家もいない。見ている人がどう感じるかが重要になる。木川准教授は「(映像に関わる人)みんなで作っていきたい」と観光映像への思いを語った。
授賞式後のフォーラムで登壇者は「観光映像は各地域の文化や自然の相互理解につながる」や「映像として素晴らしいものは多かったが、マーケティング戦略がしっかり伝わるものは少なかった」などと意見を述べた。第1回を開催した喜びや来年に向けた課題を見せた。【川村仁乃】
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