【3・4月号掲載】謎の大寺 毛原廃寺跡 奈良大博物館 企画展

奈良大博物館で企画展「謎の大寺 奈良県山添村毛原(けはら)廃寺跡−史跡保存の100年−」を開催している。毛原廃寺跡は奈良県山添村の山中に位置する。出土した瓦やプロジェクターを使った廃寺跡の全体像などの展示がある。
奈良時代のもので、礎石から唐招提寺の金堂と同じ程の大きさと推定されているが、記録がなく建立の理由がはっきりしないため、謎の大寺とも呼ばれている。企画した奈良大の坂井秀弥教授(文化財学)は「山の中にこんなに大きな寺があるのは特異」と魅力を語る。
1926年に国の史跡に指定され、保存の取り組みが始まってから約100年が経つ。民家が立ち並ぶ中にある廃寺跡は、地元の人を中心に守られてきた。坂井教授は「研究者や行政だけでなく、地元の人あってこその文化財保護だ」と話す。展示されている保存の歴史も見どころの一つ。展示は5月17日まで。博物館の開館時間は午前9時〜午後4時半(土曜は正午まで)。【川村仁乃】
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