「防災学習かるた」を持つ前林清和教授(撮影=田中穂乃香)

小学生向けに作られた「防災学習ブック」
(撮影=田中穂乃香)

 神戸学院大現代社会学部社会防災学科の前林清和教授(社会防災論)らと学校や企業の制服を製造する明石スクールユニフォームカンパニー(岡山県倉敷市)が11月、共同で小学生向け防災教材「防災学習ブック」と「防災学習かるた」を発表した。子どもたちに防災意識と、災害時に命を守るための知識を持ってもらうことが目的だ。

 学習ブックは小学校低、中、高学年向けの3種類あり、教員用の指導書や防災学習DVDが付いている。かるたには「戻らない 津波は何度もやってくる」「忘れずに 伝えていこう 大災害」など災害への備えや知識、災害時の行動に関する内容が盛り込まれている。

 教材作りは同社が2017年3月、日本で唯一の社会防災学科を有する神院大の前林教授に提案したことがきっかけで始まった。同社は学校に制服を納入する中で防災教育の必要性を感じていた。

 以前から学校教育に「防災」という科目を取り入れ、災害の経験を伝えていくことが重要だと訴えてきた前林教授。学習ブックは、知識を一方的に伝えるだけの内容ではなく自分で考えたり友達と話し合ったりしながら災害時の対応を身に付けることができるようワークブック形式にした。かるたは遊んだ後に振り返り学習ができるよう、過去の災害から学ぶ「備え」、災害を経験した人からの「メッセージ」、災害から学んだ「心得」自分を守るための「知識」など、46枚の札を六つのマークで分類し、防災の基礎知識の定着を図る。

 前林教授は「防災は専門家だけで進めるものではなく、市民を巻き込んで取り組んでいかなければならない課題」と指摘する。「小学生がかるたや学習ブックで災害について学び、周りの大人たちに伝えてくれれば社会全体の防災意識の向上にもつながると思う」と語った。

 学習ブックは4月から小学校で導入される予定で、かるたは一般に販売されている。価格は1080円(税込み)。今後は、中高生向けの学習ブックを製作する予定。【田中穂乃香】