アンマン城に残るローマ時代の柱。直接触れることができる。

ダウンタウンの書店。本が所狭しと並んでいる。

ローマ時代の遺跡点在

 アラビア語を習得するため9月上旬から、中東のヨルダンの首都・アンマンにある国立総合大学、ヨルダン大に留学している。アンマンの街並みや大学の様子を紹介する。【アンマン、西崎啓太朗、写真も】

 ヨルダンは、シリアやイラク、パレスチナ自治区など争いが絶えない国や地域に囲まれている。面積は日本の約4分の1で、2016年の世界銀行の統計によると、人口は約945万人。通りを歩いていると、気さくなアラブ人が声を掛けてくれる。

 周辺国で戦争が起こるたび、治安が良いヨルダンには、難民が押し寄せた。イスラエル建国に反対したアラブ諸国が攻め込んだ1948年からの第1次中東戦争では、多くのパレスチナ難民がヨルダンに逃れた。さらに91年の湾岸戦争や2003年からのイラク戦争では、イラク人が避難。11年から始まったシリア内戦で難民になったシリア人も多く暮らす。

 首都・アンマンは、丘の街。あちこちに急な坂があり、徒歩で移動すると思いの外、体力を消耗する。だが急な坂を上り切れば、丘の上に石造りの建物が立ち並ぶ「絶景」と出合える。

 歴史は古く、街のあちこちで遺跡が見られる。ダウンタウンに近いジャバラ・アル・カラアの山頂にあるアンマン城は、多くの観光客でにぎわうスポット。第16代ローマ皇帝マルクス・アウレリウス(在位161〜180年)の命令で建てられたとされるヘラクレス神殿の柱がそびえ立ち、圧巻だ。

 ただアンマンは車社会。交通事故には注意しなければならない。交差点は、信号機がない環状交差点「ラウンドアバウト」が多く、歩道や横断歩道はほとんど整備されていない。強引な車線変更をする車が多く、道路を横断するときは命懸けだ。毎日ひやひやしながら幹線道路を横断している。

日本語を学ぶ学生も

 ヨルダン大では、留学生向けの授業が開講されている。履修している中級の授業は、アラビア語のみで授業が進む。先生は難しい単語が出てきたら、より簡単な単語を組み合わせて意味を説明する。学生間で議論する際もアラビア語で行わなければならないので、かなり難度が高い。必死で授業に食らいついている。

 ヨルダン大の創立は1962年。キャンパスの面積は阪神甲子園球場30個分を誇る。女子学生が多く、キャンパスのあちこちで、ヒジャブを巻いた女子学生がおしゃべりを楽しんでいる。

 中には日本のアニメやコスプレに夢中になり、日本語を習得する学生もいる。農学部の男子学生(20)は、日本のアニメキャラクターに変装して、9月下旬に行われたヨルダン最大のコスプレイベントに出場した。「将来は日本で農業関係の仕事に就きたい」と日本語の学習に励む。

 教育学部の女子学生(21)は、平仮名を全部覚えて、今は片仮名を学んでいる。「最初はアニメばかり見ていたが、最近は日本の食文化や祭りにも興味を持っている。いつか日本に行くのが夢」と話す。「テレビを見て、多くの日本人はアラブに対して石油や戦争などステレオタイプなイメージを持っていることが分かった」といい「アラブについてもっと知ってほしい」と語った。