【3・4月号掲載】入試の解答例解説、開示は 関西圏12大学にアンケート
2017年度入試において出題ミスがあり、大阪大と京都大は追加合格者を出す事態を招いた。入試の解答例や解説を公表することでミスの早期発見につながるが、各大学はどこまで開示しているのか。弊団体は関西圏12大学に対しアンケートを実施。うち9大学から回答を得た。【堀江由香】
アンケートは「各入試に解答例・解説を設けているか」を中心に作成。「設けている」場合は理由や開示する時期を「設けていない」場合は理由に加え、今後開示する予定があるかなどを尋ねた。関西圏九つの大学(京都大・神戸大・関西大・関西学院大・同志社大・立命館大・神戸女学院大・近畿大・龍谷大)から回答を得た。
関大、関学大、近大は、解答例と解説の両方について「設けている」と解答。関大と近大は過去問題集へ掲載するためとした。関大は高校生対象の過去問題集とは別に、高校教員や予備校講師に向けた入試データのCDを発行しているという。
解答例と解説のどちらも「設けていない」としたのは京大、同志社大、立命大だった。理由として京大は「試験は知識だけでなく思考力をも重視する問題が多く、一義的な解答を示せない問題の正解を示すことで混乱を招かないよう、一律非公表としている」とし、同志社大も同様の趣旨で「解答へ至るプロセスなども含め、さまざまな要素を踏まえながら多面的・総合的に評価しているので、一義的に解答をお示しすることはできない」と回答。一方立命大は「解答例の公表は検討課題であると認識している」とした。
龍谷大と神女院大は、解答例は「設けている」が解説は「設けていない」。龍谷大は「択一式問題が中心のため」としたうえで、受験生の参考になるよう傾向や対策は大学発行の問題集に掲載していると答えた。
「入試ミスを防ぐため大学として取り組んでいることはあるか」の問には、9大学中4大学が「出題に関わらない第三者による確認を行っている」との立場を示した。近大は「文部科学省通達を遵守し、組織としてミス防止に努めている」と回答した。
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