兵庫県立大経営学部の学生がこのほど、そば粉などの製粉を手掛ける寺尾製粉所と連携し「八穀パンケーキミックス」を開発した。文部科学省が行う「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の一環。2月下旬からそごう神戸店(神戸市中央区)で先行販売を始め、試食販売で学生らも携わる見通しだ。
 取り組みは同学部の必修科目「基礎ゼミナール」の中で、インターンシップ(職業体験)として設けられた。清水啓介特命教授(財務会計)のゼミ生ら16人を含む、約50人の1年生が参加。学生は、寺尾製粉所が開発した同商品のパッケージデザインを担当した。4人1組のチームで話し合いを重ね、各チームがデザインを考案。寺尾製粉所の審査によって、清水教授のゼミ生らが制作したデザインが選ばれた。
 商品は小麦粉の代わりに米粉を使用しタンパク質のグルテンを一切含まないため、小麦アレルギーのある人でも食べられるのが特長。デザインは特に子どもに親しんでもらえるよう、パンケーキやナイフに表情を描き、文字にはポップ体を使うことでかわいらしく仕上げたという。また、他社製品との差別化を図るため「八穀」の文字を強調。商品が外から見える方が消費者は安心すると考え、パッケージは表が透明なものを選ぶなどさまざまな工夫を凝らした。
 清水教授は「授業外で集まって話をするなど学生の熱心な姿もうかがえたので良かった」と話す。また、チームの谷口美紅さん(1年)は「実際に商品化するまでのプロセスを体験できたので、大学卒業後どんな仕事がしたいかを考える良い機会になった」と感想を述べた。
 八穀パンケーキミックスは200㌘入り648円。【堀江由香】

八穀パンケーキミックスのパッケージ(撮影=堀江由香)