vol.388 「選挙出前授業」知って 花園大教授 ガイド本出版
右京区学生選挙サポーターが地域の小学校で取り組む「選挙出前授業」の方法をまとめ、主権者教育のあり方を問う本「子どものための主権者教育—大学生と行政でつくるアクティブ・ラーニング型選挙出前授業」を、花園大の中善則教授(社会科教育学)が出版した。出前授業を多くの学校に広めることが目的。具体的な授業の構成や準備について書かれている。
出前授業は、学生が選挙劇を行い、候補者役として公約を発表。2017年は、医療、公共事業、教育の三つのテーマを取り上げた。演説を聞き、児童は実際に使用されている投票箱に模擬投票をする。投票を終えた後、候補者を選んだ判断の基準や選挙に参加する上で大事なことを学生サポーターと共にグループで議論し、発表する。現在は小学6年生を対象に2月に行い、4、5校を回っている。授業をきっかけに家族で政治や選挙について話すようになったなど、保護者からも好評だ。
右京区学生選挙サポーターは、花園大をはじめとする右京区役所と地域連携協定を結ぶ9大学の学生で構成されている。区選挙管理委員会と連携して出前授業や投・開票作業の事務、啓発グッズの配布を行う。中教授は出前授業の内容にアドバイスするなどサポートしてきた。
「授業の質を高めて、子どもたちがよりよい主権者に育つきっかけにしたい」と中教授は語った。今後も学生と共に授業内容の改善や、授業回数の増加を検討している。
本はB5判、73ページ。2700円(税込み)。
(聞き手=上田真友子)
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