【写真】試合後のハドルで涙を浮かべながら鳥内監督の話を聞く関学大の選手ら(12月17日・阪神甲子園球場で 撮影=新貝卓丸)

 ◇アメリカンフットボール=全日本大学選手権決勝「第72回甲子園ボウル」(12月17日・阪神甲子園球場)

 〈関学大17―23日大〉

 関学大(関西2位)は日大(関東1位)に17―23で敗れ、甲子園ボウル連覇はならなかった。西日本代表が敗れるのは2006年以来11年ぶり。関学大は第1Qに幸先よく先制するが、その後は日大ペース。相手のラン攻撃を止めることができず逆転を許すと、その後も徐々にリードを広げられてしまう。第4Qに追い上げを見せたが、再び勝ち越すことはできなかった。
 同ボウル史上最多の29度目の顔合わせとなった伝統の対決は序盤、関学大がペースを握る。WR松井がQB西野からのパスを受けると右サイドを駆け抜け、ロングゲインを奪う。続く攻撃シリーズで西野が右に行くと見せかけ、左のオープンを突いた技ありの走りでTDを奪取。関学大が先制に成功する。
 しかしその後は日大が反撃に出る。QB林大からWR林裕へのロングパスがヒットし、すぐさまTDを返される。第2QにはRB宋にTDを決められ、逆転を許し前半を折り返す。
 点差を詰めたい関学大だったが、後半も日大に主導権を握られる。第3Q、QB林大を軸にした多彩な攻撃を抑えることができず、RB川上にTDを奪われる。後がなくなった関学大はここから猛攻を仕掛ける。西野、WR前田耕がランで前進すると、第4QにRB山口がエンドゾーンに飛び込みTD。1ポゼッション差まで迫り、日大に食い下がる。
 その後の守備を無失点で切り抜け、迎えた攻撃シリーズ。山口、西野がロングゲインし、さらに相手の反則も重なるなど相手陣深くまで一気に前進。しかし逆転を懸けた勝負の第4ダウンで痛恨のインターセプトを喫し万事休す。関学大は日大の牙城を崩すことができず、2年連続の学生日本一を逃した。

【試合結果】関学大(関西2位) 17−23 日大(関東1位)

(7―6、3―7、0―10、7―0)

年間最優秀選手(チャック・ミルズ杯)=日大・QB林大希
甲子園ボウル最優秀選手=日大・QB林大希

敢闘選手=関学大・QB西野航輝

【試合後のコメント】
▽関学大・鳥内監督
学生たちはしっかりと試合できていた。日大に負けたのは、選手たちに力を発揮させることが出来なかった私の責任だ。舐めていた訳ではないが、想定外だった。試合前から、プレッシャーがかかっていたが、特にブレイクされた時はかかっていた。試合中、あまり走ることができていなかったのは負けた要因の一つ。来年は負けた悔しさを忘れずに頑張るしかない。

▽関学大・OL井若主将
自分たちはどんな相手がきても全てを出しきる思いで戦った。下級生はよくやってくれた。負けてしまったのはリーダーシップを発揮出来なかった、自分の責任だ。申し訳なく思っている。支えてくれたさまざまな人のおかげでここまで来れた。感謝しかない。心残りは支えてくれた多くの人たちを勝利して、喜ばすことができなかったこと。意味のある負けになるように、下級生にできることをしたい。

▽関学大・QB西野

試合前から浮ついていた部分があった。2週間前の立命大戦ではランがよく通ったので攻撃が山口任せになっていた。ランが出なくなったときに自分が修正ができなかった。緊張はなかったが、QBの実力が勝敗に直結することを身をもって経験した。自分の実力不足。最後のパスのターゲットは亀山さん。空いているのは見えていたが、パスの精度が足りなかった。今後は自分がリーダーシップを発揮できるようにやっていきたい。

▽関学大・RB山口
今日は僕の責任で負けてしまった。相手の守備が想像より早く集まってきた。そこの一対一に勝っていかないといけなかったが、ゲインをとれなかった。4年生に対しては申し訳ない気持ちでいっぱい。来年は二度と負けたくない。今年みたいな悔しい気持ちはしたくない。

▽関学大・LB松本

しっかり人数をかけて止めようとしたが、なかなか止めることができなかった。相手のQBは関西にはいない走れるQBだった。彼だけに注意がいってしまうと外にパスを出されたり、外国人選手のランがあったりとうまいことやられてしまった。後輩たちにはこの思いを忘れてほしくない。今日もそうだが関学大には大勢のファンが声援を送ってくださる。選手たちはその声援に応えられるように、いろいろな人の思いを背負いながらやってほしい。