vol.385 教養人目指す学生に指南 関学大で大学活用セミナー
教養を身に付けたいがその方法が分からない学生向けに、関西学院大の先端社会研究所が8日、大学での講義の受け方や大学の活用の仕方についてのセミナーを開いた。同研究所の副所長を務める鈴木謙介准教授(社会学)を中心に、批評・論壇の歴史に詳しく、鈴木准教授の友人でもある近畿大の大澤聡准教授(メディア史)、同大で開講している知識社会学を担当し、80年代の社会に詳しい桃山学院大の名部圭一准教授(社会学)を招いて座談した。
セミナーには約100人の学生が参加し、会場は満席だった。鈴木准教授は80年代の大学生と今の大学生を比較。以前は自分から本を読んで教養を身に付け、授業に出ない一方で教員と議論するために一緒にご飯を食べに行くような学生も多かったという。最近は授業を真面目に受けるおとなしい学生が増え、教員に対して意見を言う際にも遠慮しているように感じる、と違いを指摘した。
鈴木准教授は「たくさんの本を読んで知識を得て、それを基に自分の考えを遠慮なくぶつけてほしい。大学では物事の見方や考え方を学んでもらいたい」と学生に対する思いを語った。
質疑応答では6人の学生の疑問や悩みに対し、それぞれの教員が丁寧に回答。セミナー後、学生が個別に話を聴きに行く姿も多く見られた。セミナーに参加した北原史香さん(関学大・1年)は「授業では聞けない先生の本音や気持ちを知ることができて楽しかった。これから自分らしさを大切に教養を身に付けていきたい」と話した。
先端社会研究所は、若手研究者の育成や大学院生への教育支援を目的に2008年に設立された。研究者と市民との対話を重視したセミナーやシンポジウムなどを毎年開催している。
(聞き手=奥田薫子)
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