近畿大経営学部・山縣正幸教授(企業行動論)のゼミ生らが活版印刷の技術を使った折り紙「#デコりがみ」を開発し、10月に大阪市内で開かれたイベントで販売した。柄は赤と白のチェックなど4種類。活版印刷で紙に生じる凹凸を生かし、手触りを楽しめる。
 ゼミは演習の一環で近畿の企業6社と連携し、学生自ら課題を見つけ解決する取り組みをしており、このうち阿部涼加さん、大島春香さんら3年生4人の班が印刷会社「山添」(大阪市)とコラボ。活版印刷の良さを若い人にも知ってもらおうと新商品開発に挑んだ。
 学生自ら宣伝しやすいように20代女性をターゲットに設定。飾り付けや小箱に使えるほか、フォークの柄に巻いたりコースターにしたりして、若い女性で流行りの「おしゃピク」(おしゃれなピクニック)のアイテムにもなる。「インスタグラムで写真を拡散してもらえる商品にしようと思った」と阿部さん。商品名の「#」はハッシュタグを意味する。
 商品は10月14、15日に大阪市中央区で開かれた活版印刷商品の販売会「活版WEST」でも販売。西日本の約20社がブースを出す中、山添のブースでゼミ生自ら手売りした。購入した奈良市の小野久仁子さんは「今のデジタル印刷にはない良さがある活版印刷に若い人が興味を持ってくれて、面白く思っている」と笑顔だった。
 4種類セット計12枚入りで税込み540円。山添のオンラインストアで購入できる。

(聞き手=瀧本善斗)

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