今年8月、京都造形芸術大の学生や卒業生でつくる短歌会「上終(かみはて)歌会」が結成から1年を迎えた。同会はこのほど活動が新聞に取り上げられたり、メンバーがラジオ番組に出演したりして注目を集めている。

 結成のきっかけは授業で短歌を学んだこと。履修していた文芸表現学科の学生と卒業生、講師を務めた歌人の永田淳さんの10人で始めた。現在のメンバーは28人で、大半が大学入学後に短歌を詠み始めた初心者。月に1度開く歌会で1人2首まで短歌を持ち寄って、作者を伏せた状態でそれぞれの作品を批評し合う。

 今年は結成1周年に合わせて、メンバーの作品を紹介する初の会誌(85㌻)を400部発行した。表紙のデザインは同大OGで歌会代表の山内優花さん(24)が友人に依頼、学科の事務室が装丁した。

 「煙草とか刺青とかに憧れてまなざしだけで生きているひと」「逆さまのスーファミの上、冬休み。指貫は何処にしまっただろう」「貸本屋 魚座の星の住人が空とか花の本をすすめる」

 五・七・五・七・七のリズムに合わせて日常を詠んだ作品が並ぶ。山内さんは短歌の魅力を「これだけの短さで多くのことを伝えられる新鮮さ」と話す。会誌は1冊千円。同大人間館4階の文芸表現学科研究室で購入できる。

 10月の歌会は26日午後6時から文芸表現学科研究室で。他大の学生や社会人にも参加を呼び掛けている。連絡は上終歌会のツイッター(@kamihate_tanka)まで。
(聞き手=山中秀祐)
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