公演中の大阪教育大ウインドオーケストラと神代修准教授(撮影=山中秀祐)

 障害がある人やその介助者にオーケストラの生演奏を気軽に楽しんでもらおうと、ザ・シンフォニーホール(大阪市北区)で11日、大阪教育大の学生ら出演の「ハートフルコンサート」が開かれた。「上を向いて歩こう」や「ルパン三世」のメドレー、「ビリーブ」などが演奏され、約700人が聞き入った。
 大教大の芸術表現講座と大阪府教育委員会、同ホールによる共催。会場はホール側が無償で提供した。コンサートは今年で2回目。府立支援学校の児童や生徒とその介助者が招かれた。
 同大音楽表現コースのウインドオーケストラに所属する学生が演奏を担当。同大OBで視覚障害があるバリトン歌手の濱田直哉さんも迎えた。指揮は神代修(くましろ・おさむ)准教授が務め、北海道教育大や東京学芸大など趣旨に賛同した全国の教育系大学の管楽器専任教員もゲスト出演した。
 最終演目の「フィンガー5」のメドレーでは、学生が高校の制服や体操服を身にまとい、舞台上でダンスも披露。聴衆は手拍子で応えて盛り上がり公演は幕を閉じた。
 来場した高校3年の小田萌加さんは「初めてコンサートに来た。シンバルの音がきれいだった」と笑顔を見せた。
 司会を務めた松尾早彩さん(2年)は昨年に引き続いてコンサートに出演。公演終了後に「今年の司会には手話があり、聴覚に障害がある人も楽しめたのではと感じる」と話した。
 バスクラリネット奏者の西前菜々子さん(3年)は「テンポの良い曲は自然と手拍子が沸き起こり、会場が一つになっている気がした」と振り返り「堅苦しいコンサートもいいが、今回のようにラフな雰囲気で楽しめるものも良かった。障害のある人たちがリラックスして楽しめるコンサートが広がってほしい」と話した。     
【山中秀祐】