コンピューターと名刺の大きさの比較(撮影=垣内勇哉)

 大阪市立大の髙橋秀也教授(大学院工学研究科)らの研究グループは、体に装着して使用するウエアラブルコンピューターを使って消防服内部の温度を測定して、体の深部体温を予測できることを実証したと発表した。深部体温が上昇すると熱中症にかかる危険性が増大するが、これまで活動中の計測は困難だった。
 消防服は耐熱性に優れる一方、内部の熱も通さないため熱中症を誘発しやすく、消防隊員の熱中症リスクが懸念されていた。コンピューターが示す客観的な数値を基に、隊員の熱中症を効果的に防ぐのが狙い。
 大阪市消防局と協力し、コンピューターを消防服に取り付け衣服内の温度を測り、計算式を使って深部体温を予測。実測値と比較すると、ほぼ一致したという。コンピューターは、隊員の動きを阻害しないよう名刺サイズまで小さくした。
 今後は、装着者の体調、体温変化の個人差に対応できるようにし、精度を高めることが課題だという。9月には、消防隊員が実際の活動時に装着して実験を行う。     
【垣内勇哉】