【9・10月号掲載】連載 現代学生貢献事情・上(3)
■「自己成長も重視」
学生のボランティアに対する意識をどう考えればよいのだろうか。
立命館大や京都文教大の職員として学生ボランティアの支援に携わった経験がある、大阪ボランティア協会のボランティアコーディネーター、小林政夫さんは「目に見える成果につながり、楽しそうな活動に集まる傾向がある」と見る。
「年配の人は社会への恩返しとして利他的に動くが、若者は活動を通した自己の成長も重視する」という。
一方で福祉系は負担が大きいイメージからか、人手確保に苦しむ。
教育・研究だけでなく社会貢献も大学の役割となる中、大学によるボランティア活動の紹介が、学生の参加を実現させる例は多い。大学自身の広報やイベントに学生をスタッフとして参加させるケースも出てきた。
こうした動きは「学生の成長という教育的効果を狙える」とする一方、小林さんは大学主導の活動ばかり増えるのも考えものだと言う。「社会を変えるには外の世界に出て、自ら動く人も必要です」。
【瀧本善斗・二宮聡子・前山幸一・山中秀祐】
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