【7月号掲載】あしなが 人手足りず 確保に奔走
募金活動をする学生ら(提供=あしなが学生募金事務局)
事故や災害で親を亡くした子どもを支援する「あしなが学生募金」への協力を街頭で呼び掛ける学生ボランティアが減っている。寄付額の減少の一因との見方もあり、学生ボランティアを増やす取り組みを進めている。
募金活動は毎年春と秋の各4日間。集まった寄付金は、遺児たちへ奨学金を貸し出すなどの支援を進めているあしなが育英会に全額寄付する。募金の拠点は全国およそ170カ所、関西では30カ所。ボランティアの学生たちが活動の大きな役割を担っている。
従来関西で100人程度集まることもあった学生ボランティアだが、昨秋は80人ほど。関西地区の寄付金額もおととしの約2千万円に比べ、昨年は約1350万円と減った。「サークルや就職活動に時間を取られる学生が増えているためでは」と、あしなが学生募金事務局関西代表の佐々木茅乃(かやの)さん(武庫川女子大・3年)は分析する。
事務局では学生ボランティア数の減少を受け、募金活動に参加する大学生を増やそうと動く。取り組みの一つ「大学アタック」では大学内であしなが学生募金の説明会を開くために、関西の大学へ電話をかけて募金活動を説明。実際に天理大で開かれた説明会に参加し、活動に加わった学生もいる。今後も大学アタックは続けていく予定だ。
「(あしなが学生募金は)さまざまな考えや知識に触れる機会が多く、視野が広がる活動」と話す佐々木さん。貧困問題に取り組むことで、社会の現状を知った。多くの人に、貧困に苦しむ遺児たちがいる現状を知ってほしいと訴える。
【下島奈菜恵】
コメントを残す