京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)は30日、今年6月に運転を再開した研究用の原子炉、臨界集合体実験装置(KUCA、出力100ワット)で、放出される空気中の放射性物質の濃度を測定する装置に今年4月から約4カ月間不具合があったと、ウェブサイトで発表した。測定に必要なろ紙のセット時の不具合が原因とみられる。実験所は、他の測定装置は正常に作動しており、不具合があった期間中、排気中の放射性物質の濃度に異常はなかったと推定している。

 8月25日に職員が不具合を発見。実験所は同日中にろ紙をセットし直し、熊取原子力規制事務所に報告した。その後、装置は正常に作動している。今後は再発防止のため、点検項目の見直しなどを行うという。

【下島奈菜恵】