京都大原子炉実験所の研究用原子炉(KUR)=大阪府熊取町、出力5メガワット=が29日午前、運転を再開した。

 国内の大学が所有する研究用の原子炉全3基を巡っては、新規制基準が施行された2013年12月以降、近大原子力研究所の原子炉(大阪府東大阪市、出力1ワット)と、京大の「臨界集合体実験装置」(KUCA)=同町、出力100ワット=は、それぞれ4月と6月に運転を再開しており、全てが稼働したことになる。

 実験所ウェブサイトによると、今後KURでは年間200件以上の共同利用研究が行われることになるとしている。中性子を利用したがんの治療法「ホウ素中性子捕捉療法」(BNCT)の研究も進められる見通しだ。

【瀧本善斗・前山幸一】