【写真】ゴールを決めて喜ぶびわこ成蹊大のFW井上(右から2人目)(4月30日・キンチョウスタジアムで 撮影=新貝卓丸)

 サッカーの関西学生1部リーグ前期が6月18日に終了した。びわこ成蹊大が第10節まで負けなしという快進撃を見せ、首位に立っている。現行のリーグ制度になって以降、遠ざかっている優勝を目指す。ただ2位以下も勝ち点差4の中に5チームがひしめく大混戦。上位争いの行方はまだ分からない。

 昨年の7位から躍進を遂げるびわこ成蹊大。好調の要因は豊富な運動量にある。総得点23の時間帯別内訳は「後半16〜30分」が10得点で、他チームと比べても同時間帯の得点数は抜群に多い。最後までスタミナが落ちることはなく、ゴール前に複数の選手が絡み好機を演出する。

 好調な攻撃陣の中心はFW井上(2年)だ。身長170センチと小柄だが、重心が低く当たり負けしない強さを持つ。さらに抜群のシュート精度を武器に7得点をマーク。望月監督も「正確な技術を持ち、体も張れる。チームを引っ張ってくれる選手」と期待を寄せる。他にも、ドリブルで攻撃に変化を付けるMF忽那(2年)や、正確なクロスで5アシストをマークしているDF柳田(4年)など多くのタレントがそろう。

 昨年のリーグ戦を制した阪南大は思わぬ足踏みとなっている。開幕から引き分けを挟んで6連勝と好発進したが、その後は徐々に失速。関大、大体大に完封負けを喫するなど自慢の攻撃陣が鳴りを潜めた。須佐監督は「ゴール前でリズム、スピードに変化を付けないと崩せない」と連携面の改善点を挙げた。ゴール前の精度が逆転優勝の行方を左右する。

 優勝争い同様、上位4チームに与えられる全日本大学選手権(インカレ)の出場権争いも激しい。5位立命大は昨年、おととしとあと一歩のところで出場権を逃してきた。現在8試合負けなしと好調を維持するが、米田監督は「まだまだ長いシーズンのほんの一部分。1戦ずつしっかり戦いインカレに出場できれば」と慎重な様子。3位大体大から6位関大までの勝ち点差はわずかに1。後期も激闘は必至だ。【新貝卓丸】