【7月号掲載】18年卒生就活続く 「売り手市場」追い風に
△過去10年間の大卒の求人状況の推移
(リクルートワークス研究所発表データより作成)
就職活動は、2018年春卒業予定の学生を対象とした企業の選考活動が6月1日に解禁された。昨年同様のスケジュールで「短期決戦」となった今年。大卒求人倍率が増加し、学生優位の売り手市場といわれ、大卒求人倍率は6年連続の増加となった。
就活支援サイト「JОBRASS(ジョブラス)」を運営するアイデムの岡﨑幸宏さんは、今年の就活について「本格化は遅かったが、一度内々定が出始めると一気に進んだ印象」と話す。昨年は就活の日程変更直後で早期に始動した学生も多かったが、2年目の今年は危機感が薄れたためかゆっくりしている学生も見られたという。
続く売り手市場 一部「狭き門」も
リクルートワークス研究所によると、18年3月卒の学生を対象にした大卒求人倍率は1・78倍(前年比0・04㌽増)で、6年連続で上昇。過去数年と同様の売り手市場となった。
一方で、従業員数が5千人以上の企業については、志望する学生が大幅に増えたことによって昨年から0・20㌽減少し0・39倍。学生の大企業志向が高まっていることが明らかになった。
業種別の大卒求人倍率では、増加が目立ったのが流通業と建設業。それぞれ11・32倍(前年比4・34㌽増)と9・41倍(前年比3・16㌽増)だった。一方金融業は0・19倍(前年と同率)、サービス・情報業は0・44倍(前年比0・05㌽減)で、一部の業種に学生の人気が集中した。
売り手市場だからと高をくくり、企業をえり好みした結果内々定を得られていない学生も目立つという。岡﨑さんは「就活を楽観視している学生もいるのでは」と指摘した。
「まず内々定を」 視野広く持って
「一度内々定を取ってしまえば、企業側への相談や内情の質問もしやすい。いろんな企業を見て、ひとまず内々定を取ってみるという考えもあるのでは」と、自分から選択肢を狭めないよう就活生へアドバイスを送った。
【垣内勇哉】
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