京都産業大の学生らが京都府井手町の空き家を改修し、地域交流拠点「むすび家ide(むすびやいで)」を3月に整備した。同大経済学部大西辰彦ゼミを中心とする「京都産業大学井手応援隊」の取り組みの一環。むすび家ideを拠点とし、地域住民との交流、また地域活性化を図る。

 井手町役場が町内の空き家を借り上げ、応援隊に提供。ワークショップで改修方法を検討し、室内の掃除や庭の整備、床の張り替えなどを行った。昨年10月から改修が始まり、3月に終了。和室5間。町内の小学生を受け入れ、学習支援をする「寺子屋」や地域住民が集まり会話を楽しむ場としての活用を予定している。

 大学名の「産業」を「むすびわざ」と読み、何かと何かをむすんでうみだすという同大の理念にちなんで応援隊の学生らが「むすび家ide」と命名。地域や学生などさまざまなものをむすび、新たな価値を井手町にうみだすという願いが込められている。

 同大と井手町は2013年に連携協力包括協定を締結。人口減少に悩む井手町を活性化し、町の人口増加を狙うため応援隊が結成された。今までの活動は、町の中心部を流れる玉川を灯籠でライトアップする「井手!みねーしょん」の企画や、町のイベント「さくらまつり」への参加など。今後はむすび家ideでの催しを中心に活動していく。

 「都会では味わえない豊かな自然が井手町の魅力」と話すのはゼミ長の橋本泰成さん(3年)。活動拠点ができたことを機に活動の幅を広げ、地域と若年層の懸け橋となり町の活性化を目指すという。

  (聞き手=下島奈菜恵)

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