【野球】近大 春季リーグ戦優勝

関西学生野球春季リーグ戦第7節近畿大-京都大の2回戦が14日、阪神甲子園球場で行われた。雨天で1日順延となり、迎えた今日の試合。夏のような日差しが照りつける中、球場には多くの観客が詰めかけた。近大は今日勝てば優勝。緊迫した雰囲気の中サイレンが鳴り響き、試合は始まった。近大は二回、1死から6番中家が右前安打で出塁すると、7番山本の三振の間に盗塁を決め2死二塁の好機を作る。打席に入ったのは打撃好調の8番中川。京大・藤原の球を強く弾き返し、右中間を破る鮮やかな適時三塁打で1点を先制する。4回にも2番牧野が四球で出た走者2人をホームへ還す適時三塁打を放ち2点を追加。さらに続く3番谷川が一塁へのゴロの当たりで果敢なヘッドスライディングを見せ、内野安打とすると、その間に三塁走者の牧野も還り計3点を挙げた。4点の援護を貰った先発の岡田は中盤以降調子を上げ、なかなか走者を許さない圧巻の投球を見せる。近大は七回に再び中川が適時三塁打を放ち、さらに2点を追加。近大が6点をリードし、試合は九回に突入した。球場全体に緊張感が立ち込める中、岡田は二死から死球を与えるも最後の打者を投手ゴロに打ち取り、試合終了。近大が8季ぶり45回目(旧大会含む)の優勝を決めた。先発の岡田はチームの優勝に華を添える自身リーグ戦初完封。試合後、挨拶が終わると近大のベンチ前に選手やコーチたちが集まる。球場に歓声が響く中、ベンチ入りメンバー全員で田中秀昌監督を胴上げし、優勝の喜びに浸った。優勝した近大は、来月5日から行われる全日本野球選手権大会へ出場する。【山本穂波】
京大 000 000 000=0
近大 010 300 20X=6
【京大】●藤原、横田、長谷川‐村山
【近大】○岡田-山本
三塁打:中川2、牧野(近大)
【試合後のコメント】
▽近畿大・田中秀昌監督
「嬉しい。ほっとした気持ち。監督に就任して3年間結果が出なかったが、ようやく肩の荷が降りたかんじ。先発の岡田もボールが高く、4回に初めて三者凡退で終えて、裏に攻撃リズムも良くなりその後よかった。選手たちは普段通りやっていた。春季リーグ戦では逆転勝ちした試合が4試合、一点差の試合が5試合。なかなか優勝が見えなかった。関学大に勝ってから少し見えてきていたかな。優勝の要因は、4年生の学生コーチが良くやってくれて、練習の雰囲気作りなどもしてくれたこと。バッティングピッチャーやバッティングキャッチャーを毎回やってくれ、コーチ陣も丁寧にアドバイスをしてくれた。おかげで後輩たちも思う存分練習ができた。チームも終盤に点が取れるようになった。運も日頃の練習や態度の結果。全国大会でもまずは初戦突破を目指して、粘り強く戦っていきたい」
▽近畿大・小深田大翔選手
「監督を胴上げすることができ、素直に嬉しかった。いろいろ長かった。去年5位が続いて、なかなか勝てず不安もあった。オープン戦で終盤に点を取ることが多く、いい形(の戦い方)になってきたので、そこでできたことをやろうと今までやってきた。リーグ戦でもできたので良かった。ここからがまた勝負。全国大会でも優勝を目指したい」
▽近畿大・岡田和馬選手
「初完封できて最高だった。序盤は調子が出ず、まずいと思っていたが、キャッチャーが良いリードをしてくれた。空振りが取れた球はストレートとスライダー。序盤は球速を見て調子が悪いと思い込んでしまったので、その後は見ずに投げた。リーグ戦を通して調子を持続できたのはいろんなルーティーンをやってみたからだと思う。試合のある日の朝ごはんはいろいろ食べると体が重くなるので味噌汁だけにしたり、バスで20分以上は寝るようにしたりしたら調子が良くなった。また、今まではランナーがいてもいなくても変わらなかったが、ピンチを意識してギアを上げることで上手く抑えられた。今季の成績はバックも助けてくれたから。チームはやっていても負けないイメージがあった」
▽近畿大・佐藤輝明選手
「先輩たちからは気楽にいけよと言ってもらっているので全然プレッシャーもなくやれた。4年生がしっかりサポートしてくれた。声も出してくれ、力になった。大学野球は高校野球とは違って、調子を維持するのが難しいが、全試合で5番を任され、3割近い打率を残せたので良かった。全国へ行くのは初めて。自分のバッティングの持ち味である長打力やパワーを神宮でも発揮できたらいいなと思う」
▽京都大・中村侑介選手
「勝ち点3を目標としていたが、1つも取れず悔しいシーズンだった。打撃も30点打線という目標を掲げていた中で27得点しか取れなかった。勝ちきるためにはもう1本が必要だったという試合もいくつかあり、確かに成長はしているが目標を達成できたとは思っていない。投手陣も2死から四球を出したことが点に絡んだり、野手もミスが多く成長できたと思える部分があまりない。そこが課題。今までの練習が間違っていたとは言わないが、今までの練習でこの結果だったのでやっぱり変えていかないと行けない部分はある。スタンドで見ていた1回生も、スタメンで出てたメンバーもそれぞれ思うことがあると思う。全員で考えていくのが京都大学の野球スタイルだと思うので、明日から全員が考えていければと思う。秋は新入生も加えて全学年全員で戦っていきたい」
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