昨季、2年ぶり8度目の関西学生リーグ制覇を果たした阪南大。後期は一度も首位の座を譲らない安定した強さを見せた。一方で、夏の総理大臣杯では初戦敗退、冬の全日本大学選手権では準決勝で敗れるなど、全国大会では悔しい結果に終わった。栄光と挫折を味わった昨季の経験を糧に、今季はリーグ連覇、そして全国制覇を目指す。

  昨季、リーグ最多の60得点を奪った攻撃陣は今季も健在だ。昨季の年間最優秀選手賞に選ばれた主将のMF脇坂(3年)やアシスト王を獲得したFW山口(3年)、全日本大学選抜で主将を務めるMF重廣(3年)など多士済々だ。これまで主力として活躍してきた選手や、選抜に起用されたメンバーも多く在籍。2012年以来の日本一を狙える陣容となっている。抜群の連携で攻め込む迫力のある攻撃は今年も相手の脅威になる。

  ただ、自慢の攻撃力とは裏腹に課題として挙がるのが守備。敵陣に攻め入り、前掛かりになった所を相手に狙われ、昨季のリーグ戦では30失点を喫した。須佐監督は「1試合平均1点以上取られるのは優勝チームとしてふさわしくない。改善しないと駄目だ」と守備の立て直しの必要性を説く。脇坂は守備のキーパーソンとしてDF大野(2年)を挙げ「リーダーシップを発揮して守備ラインを統率してほしい」と、1年生の時から試合に出場する長身DFに期待を寄せる。

  今冬は守備練習に加え、基礎の確認を徹底し、技術向上を掲げた。2月には合宿を実施。朝と夕方の練習で基礎を固め、実戦形式の練習で連携面の強化を図っている。ミーティングでは、自分たちのプレー映像を分析することで課題を明確にし、プレーの反省点を確認した。ピッチ以外でも戦術の確認を欠かさないなど、勝つための準備に余念がない。

  監督は「どのチームにも絶対に負けたくない。どんな大会でも、優勝しないと見えてこない部分があるので、そこを目指したい」と抱負を語る。脇坂は「10ゴール10アシストを達成し、目に見える形で結果を残したい。自分が攻撃の中心になって4冠を達成できれば」とタイトル獲得に強い意欲を示した。

 15年に関学大がリーグ戦、関西学生選手権、夏冬の全国大会を制して達成した「4冠」を最大の目標として迎える今季。関西、そして全国の舞台で牙をむく。

【おことわり】
3・4月号では学生の学年を、3月までの学年で表記しています。