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 関西学院大大学院人間福祉研究科で死生学を学ぶ元看護師の安井優子さんが東日本大震災の遺族に話を聞き「人が苦しみの中で求める物は何か」をテーマに死生観を修士論文にまとめた。
 安井さんは昨年5〜9月に東北地方を訪れ、被災者の話し相手になる移動型喫茶のボランティア「カフェ・デ・モンク」で、遺族2人にインタビューした。
 死生学を研究したきっかけは、夫や両親をがんで亡くしたこと。生や死について伝える人になりたいと、休職して2011年に同大へ入学した。当時は震災の直後で、夫の死からも1年しかたっていなかった。テレビで被災地の様子を見て「家族を1人失っただけでもこんなに悲しいのに、何人もの家族や仲間、知り合いを亡くしたらどんなにつらく苦しいんだろう」と考え、震災を研究テーマにすると決意。夫の知り合いだった藤井美和教授の下で死生学を学び、2015年、同研究科の博士前期課程に進んだ。
 修士論文の研究では、宮城県気仙沼市の30代女性から聞き取りをした。女性は震災で2歳の息子を亡くし、自分だけが生き残ってしまった罪悪感から、自傷行為を繰り返した。しかし「カフェ・デ・モンク」で話すうちに「息子は今も私と一緒に生きて、年を取っている。だから一緒に生きなければならない」と自らの生に意味を見出したという。
 5年間の研究を通して導き出した答えは「苦しみに対して自分なりに意味を見出す」ということ。「人との温かい交流を求め、自己と向き合うことが(生の)意味を見出す鍵になる」と語った。今後は、死生観について悩み苦しむ人のために、ソーシャルワーカーがどんな役割を果たせるかを研究したいと意気込んだ。

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