vol.343 学生と市民 高校生の青春描く
大阪大などの学生と吹田市民が共演する劇「あくまでも春」が2月18、19日の2日間(全3公演)、吹田市文化会館メイシアターで上演された。25年前の同市を舞台に男子高校生の青春を劇にした。演劇はメイシアターと阪大の共同事業で、2011年から地域発信型の演劇づくりを目的として始まったという。
劇は、自堕落な生活を送っている主人公多古山ヒラクが、高校入学から卒業までの恋愛や進路に悩んだ過去を振り返る物語。サッカー少年だったヒラクは高校でサッカー部に入部する。進路を考え始めた頃、文を書くことが得意で作家の道を目指すように。サッカー部仲間のカニやカツオ、ハギー、そして家族との愉快な会話は会場の笑いを誘った。ヒラクはカニとともに同じ大学を目指し、進学する。劇は回想から現代に戻り幕を閉じた。
本番では、オーディションで選ばれた10代から70代までの学生や市民が、4カ月に及ぶ稽古を経て熱の入った演技を披露した。
共同事業の演劇に初めて参加した阪大生の矢口奈津実さん(2年)は、主人公の友人カニ役を演じた。「(男子高校生の役だったので)男子生徒らしく演じることに苦労したが、普段経験できないこともできて良かった」と話す。さらに「劇が無事に終わりほっとした気持ちと同時に寂しさもある。だけどたくさんの出会いがあって楽しかった」と笑顔を見せた。

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