滋賀大経済学部の秋学期開講科目「時事外国語」でゲーム「どうぶつの森」を利用した講義が行われている。
講義で扱っているのはニンテンドー3DSでプレーできる「とびだせ どうぶつの森amiibo+(以下、とび森)」。同ゲームは、村づくりや住民との交流、インテリアなどのアイテムを収集できるゲームだ。「とび森」では自分の村を離れて南の島(以下、オン島)に行く機能が備わっていて、インターネットを介して世界中のプレーヤーと遊ぶことができる。滋賀大の「時事外国語」は「バーチャル空間で外国の人々と日常的に交流し、各国事情を知ること」 を授業の目的とし、この機能を利用して開講されている。
 講義の最終目的は「アメリカ大統領選にどんな感想を持ったか」や「日本にどんなイメージを持っているか」などについて各国のプレーヤーの意見を聞くことだ。そのために、現在受講生はオン島で友達をつくることに取り組んでいる。講義では、受講生が3DSの画面に向かい、班ごとに集まってゲームを進めている光景が広がる。ある回では、受講生がオンラインしているか教室ではなく3DSで確認して出欠を取ったり、 オン島で集合して一緒にプレーする試みもされた。
 講義を担当する経済学部の永田えり子教授は「日本で暮らしていたら、英語を話せなくても問題なく過ごせてしまう」と話す。「しかし、例えばオン島で『あなたの村に行っていいですか』と外国の人に伝えたいとき、どう話すか。試行錯誤しながら英語を使う中で英語が身に付く」と、とび森を使った講義の効果を示した。また同ゲームには各国限定のアイテムがあるため、外国のプレーヤーとのアイテム交換も会話の糸口になる。「とび森ではチャットでやり取りをする。同様にメールの読み書きができればビジネスでも困らないだろう」と解説した。