【11・12月号掲載】伝統芸能とコラボ 技術発信目指して
古くから、伝統産業の職人たちが多く活躍する京都市東山区。職人たちの技術や文化を発信するために、京都造形芸術大と東山区役所が合同で、「手しごと職人のまち東山活性化プロジェクト」を進めている。
今年で5回目となる同プロジェクトでは、学生が毎回工房に足を運ぶ。職人の現状を調査する「職人ヒアリング」、学生のガイドで工房を見学して回る「職人弾丸ツアー」、学生のアイデアと職人の技術で商品開発を目指す「オリジナル商品開発」の三つのプロジェクトを主軸とする。
オリジナル商品開発では、20代から30代までの女性をターゲットに「○△□」というアクセサリーが制作された。デザインは、東山に位置する建仁寺の「○△□乃庭」がモチーフとなっている。学生と「○△□」を制作した刃物研ぎ師の岩山真也さんは、初回から職人弾丸ツアーに携わっているが、学生とのオリジナル商品の開発は今年が初めて。「研いだ金属で作るアクセサリーは考えてもみなかった。評判も良く、来年も参加したい」と話す。
プロデクトデザイン学科の干場はるなさん(1年)は「○△□」の開発に携わった。大学では、大量生産される製品のデザインを学ぶ。「手作りの製品が減少する中で、大量生産について学ぶ視点から、職人の技術を商品に生かすことができれば」と話す。
本プロジェクトのパンフレット制作に携わったマンガ学科の荒木遙香さん(1年)は「普段接する機会がない伝統産業の職人と交流しただけでなく、(学科やコースの)垣根を越えた貴重な活動ができた」と笑顔で活動を振り返った。
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