関西大、関西学院大、同志社大、立命館大が、新入生を対象に「藥物に関する意識調査」を行った。警察や医療機関などの相談窓口を「知らない」と答えた学生は59・9%(1万4268人)。前年比で1・9ポイント増加し、薬物に対する関心が薄い学生への対応を迫られる結果となった。
 同調査は2009年から毎年実施している。学生の薬物汚染が深刻化している状況に危機感を持った4大学が、薬物乱用防止に関する共同宣言を同年に発表し、始めた。薬物乱用を防止する対策に役立てるとともに、学生の薬物に対する意識を社会へ伝えることが狙いだ。今年は4月に新入生2万7432人を対象に実施。使用で起こる症状や薬物のイメージ、知識や認識など、24項目をアンケート形式で問い、2万3833人(回答率86・9%)が答えた。
 薬物について「どのような理由であれ、絶対に使うべきではないし、許されることではない」との回答が9割以上を占めた。一方、6・3%(1495人)は「他人に迷惑を掛けないのであれば、使うかどうかは個人の自由」と回答。友人の使用を知ったときの行動は、5割近くが「使用をやめるよう説得する」と答えたが、「個人の自由であるので放っておく」という学生も8・4%(2012人)に上る。また、「周囲に所持したり、使用する人がいる(いた)」という回答も3・2%(754人)あった。
 同志社大学生支援センターは「薬物について知識がない学生が非常に多い」と調査結果を分析し、「薬物の問題を個人で解決することは難しい。相談窓口の情報を発信するとともに啓発活動に力を入れていきたい」と話した。また、薬物の使用を個人の自由とする回答が一定数あったことに触れ「違法であり、家族や友人など必ず誰かを傷つける」と認識を改めるよう求めた。